4月30日に行われたWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンティーナのデイ4。トヨタ・ヤリスWRCを投入するTOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリ-マティ・ラトバラが総合5位、ユホ・ハンニネンが総合7位でフィニッシュし、2台揃ってポイントを獲得した。
ラリー・アルゼンティーナ最終日は全3SS、合計距離55.28kmと走行距離こそ短かったが、SS16、SS18の名物ステージ『エル・コンドル – コピナ』は、ラフな路面コンディションだったことに加え、気温も上昇。ドライバーとマシン双方に大きな負荷がかかる状況で争われた。
この週末、ダンパーの破損やパンク、エンジントラブルなど、さまざまなアクシデントを乗り越えたヤリスWRCは、デイ4で終始安定したパフォーマンスを発揮。ラトバラとハンニネンは大きなトラブルなく完走を果たした。
これでラトバラは5戦連続の入賞。また第3戦メキシコを除いた4戦でトップ5フィニッシュを成し遂げたこととなる。
なお、ラトバラはボーナスポイントが付与されるパワーステージとして行われたSS18でステージ5位を獲得したため、ポイントランキングで1点を追加。ランキング2位の座を守っている。
チーム代表を務めるトミ・マキネンは「非常に困難な条件下で行われた今回のラリー・アルゼンティーナには厳しい課題を突きつけられたが、そこから多くを学習した」と週末を振り返る。
「この数日間のチャレンジはとても有益だった。ふたりのドライバーは、いくつかのトラブルに直面しアンラッキーな面もあったにもかかわらず、素晴らしい働きをしてくれたよ」
「もしトラブルがなければ、さらに上の順位でフィニッシュできたかもしれないが、手にした結果を喜びたい」
「今回のラリーではソフトなグラベル(舗装路)と荒れた路面という、ここでしか経験できないようなコンディションを体験し、経験値を増やすことができて満足している」
「そして、ヤリスWRCが基本的にとても強いクルマであることが分かったよ」
ラトバラは「大切なのは開幕戦のラリー・モンテカルロから安定した走りを続け、選手権でいい位置につけているということ。自分のキャリアにおいて、開幕から5戦が終了した時点で選手権リーダーにこれほど近い位置にいた記憶はないよ」とコメント。
ハンニネンも「全体的に今回のラリー・アルゼンティーナは荒れた道が多く、非常にタフで厳しいラリーだったけど完走という目標を達成し、(ポイントランキングで)数ポイントを獲得し、そして多くを学ぶことができたから、満足している」と語った。
トヨタが挑む次の戦いは5月18~21日にポルトガル北部を中心に行われる第6戦ポルトガル。1967年に初開催された由緒ある1戦だ。この時期のポルトガルは気温が高くなることが多く、チームはラリー・アルゼンティーナやラリー・メキシコで得た経年を活かして挑む。
なお、チームはこの第3戦ポルトガルから3台目のヤリスWRCを投入。2016年のWRC2チャンピオンで、チームのテストドライバーを務めるエサペッカ・ラッピが実戦デビューを果たす。