10月3日から5日にかけて、愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点にJRC全日本ラリー選手権第7戦『久万高原ラリー』が開催され、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(AICELL速心DLヤリスRally2)が優勝。2025年シーズン初勝利を飾った。
■最終日のオープニングステージで新井大輝が逆転も……
北海道でのグラベル(未舗装路)2連戦を終え、シリーズは終盤のターマック(舗装路)ラリー連戦へと向かう。その緒戦となった久万高原ラリーは今年、4年ぶりに秋の開催となっている。
今大会は『大谷』と『大川嶺』というふたつのステージを土曜と日曜に2本ずつ走行。合計8つのスペシャルステージ(SS)で争われたが、最終日のSS5~8は初日と同じステージを進行方向を入れ替えて走行するかたちが採られた。
そんな久万高原ラリーの競技初日は、予報どおり雨模様に。路面もウエットコンディションとなるなか、オープニングステージではコバライネンが後続に10.6秒差をつける好スタートを決める。続くSS2は、総合2番手につける新井大輝(YAHAGI シュコダ ファビア R5)がステージベストを獲りコバライネンとのギャップを2.2秒縮めるが、午後のSS3は僅差ながらふたたびコバライネンが一番時計。ライバルとのタイム差を9.2秒に拡げた。
しかし初日最後のSS4で現チャンピオンが逆襲。2度目のステージウインで一気に7秒を削り取り、首位でラリーを折り返したコバライネンとのギャップをわずか2.2秒とした。初日終了時点の総合3番手はトップから1分17秒4おくれた勝田範彦(GR YARIS Rally2)だ。
雨が上がり昼過ぎには日差しも出てきた最終日は、徐々にドライアップしていく路面のグリップを見定めるのが難しい一日に。そのオープニングを制したのは新井。ステージ2番手となった鎌田卓麻(Castrol TEIN DL ファビア)に8.0秒、同3番手のコバライネンに8.8秒差をつけたことで総合トップが入れ替わる。
だが、直後にドラマが待っていた。首位に浮上した新井が、SS6で事故処理のために撒かれた石灰に足を取られコースオフ。幸いフロントバンパーの損傷のみで競技に復帰できたものの10秒以上タイムを失い、ふたたびコバライネンに先行を許すこととなった。
一方のコバライネンはこのSS6で大会3度目のステージウインを飾ると、新井に次ぐステージ2番手タイムを記録したSS7後は4.2秒差に迫れるも、最終SS8をトップタイムで締めくくり逃げ切りに成功。7戦目で待望の今季初の総合優勝を果たした。新井は惜しくも6.3秒およばず総合2位。同3位は勝田範彦、4位に福永修(スミロン☆焼肉ふじ☆CTE555ファビア)、5位には奴田原文雄(ADVAN KTMS GRヤリスRally2)が入った。
JN-2以下、各クラスのウイナーは下記表のとおり。なお今大会の結果、JN-5クラスでは河本拓哉/有川大輔組(DLクスコWMタカタOTS・TWRデミオ)がチャンピオン獲得を決めている。
全日本ラリー選手権の次戦は『M.C.S.Cラリーハイランドマスターズ2025』。シーズン最終戦となる一戦は、10月17~19日に岐阜県高山市で開催予定だ。
■2025年全日本ラリー選手権第7戦久万高原ラリー 順位結果
| Pos. | Driver&Co-Driver | Car | Time |
|---|---|---|---|
| 総合優勝 | ヘイキ・コバライネン/北川紗衣 | AICELL速心DLヤリスRally2 | 1h28’14.8 |
| 総合2位 | 新井大輝/立久井大輝 | YAHAGI シュコダ ファビア R5 | 1h28’21.1 |
| 総合3位 | 勝田範彦/保井隆宏 | GR YARIS Rally2 | 1h30’28.9 |
| JN-2優勝 | 貝原聖也/西﨑佳代子 | ADS多賀製作所K1カヤバGRヤリスDL | 1h34’22.0 |
| JN-3優勝 | 曽根崇仁/小川由起 | P.MU☆DL☆INGING☆GR86 | 1h39’25.1 |
| JN-5優勝 | 河本拓哉/有川大輔 | DLクスコWMタカタOTS・TWRデミオ | 1h43’09.3 |
| JN-X優勝 | 天野智之/井上裕紀子 | TRT・DL・RAV4 PHEV | 1h44’01.4 |




