2025年のJRC全日本ラリー選手権第7戦『久万高原ラリー』が、10月3日(金)から5日(日)にかけて、愛媛県上浮穴郡久万高原町を拠点に開催された。トヨタ・ガズー・レーシング(TGR-WRJ)からシリーズ唯一の四国ラウンドに参戦した大竹直生/橋本美咲組(GRヤリスGR4ラリー)は、“MCC”ことモリゾウチャレンジカップで3位表彰台を獲得。平川真子/冨本諒組(GRヤリスGR4ラリーDAT)は同5位で難コンディションとなった一戦を完走している。
■平川のコドライバーが変更
今季の久万高原ラリーは2021年以来、4年ぶりに春から秋へと開催時期が変わっている。ハイスピード区間とテクニカル区間のコンビネーションが特徴である同ラリーのスペシャルステージ(SS)について、眞貝知志監督は「苔や泥が点在するため、いかにグリップの良いラインを走行できるか」が重要だと指摘していた。
迎えた競技初日は事前の予報どおり雨となり、路面は滑りやすいコンディションに。前戦のラリー北海道までに6連勝を挙げ、早くも今季のMCCタイトル獲得を決めている大竹だったが、今大会ではSS1で右2輪が側溝に落ちるアクシデントがあり、右フロントタイヤをバーストさせてしまう。これによりオープニングステージだけで約40秒のタイムロスを強いられた。
しかし大竹は、午後のSS3とSS4でペースを取り戻しMCC9番手から4番手までポジション回復させると、雨上がりの最終日にさらにひとつ順位を上げ3位でラリーをフィニッシュした。
一方、今回からコドライバーに冨本を迎えた平川は、SS2以降ハンドリングの不調に見舞われながらも慎重な走行を継続し、ラリー初日を6番手で走り切った。最終日は最後のSS8でステージ2番手タイムをマークするなどスピードを見せ、初めてコンビを組んだ冨本とともに5位完走を果たしている。
●大竹直生
「不完全燃焼の悔しいラリーになってしまいました。SS1では僕のミスでコースアウトし、クルマを傷めてしまいました。その後、サービスでメカニックの皆さんに修理していただいたのですが、そこから路面に合うセットアップをなかなか見つけることができませんでした」
「いろいろと試してみましたが、これという決め手が見つからないままラリーが終わってしまった印象です。何が悪かったのか、原因をしっかり突き止めて次戦で優勝できるように頑張ります」
●平川真子
「まず無事に2日間を走り切れてホッとしています。1日目は霧が出たり、泥が出たりするさまざまな路面で大変だったのですが、2日目はその点も考慮してペースノートを調整し、ひとつひとつのコーナーを大切に走り切りました。次戦に向けたセットアップの方向性についてもチームと話ができているので、とても学びのあるラリーになったと思います」
「初めてコンビを組んだ冨本選手は、多くの準備を重ねてくださり、ペースノートを読む以外にも、クルマやタイヤの内圧のことなどいろいろと教えていただき、とても心強かったです」
●眞貝知志(TGR-WRJチーム監督)
「2日間、たいへん難しいコンディションとなりましたが、大竹選手/橋本選手、平川選手/冨本選手とも、厳しい状況のなか、最後まで走り切ってくれたことに感謝しています」
「大竹選手に関しては、我々が持ち込んだセットアップも含めて、道の上を気持ちよく思いどおりに走れるクルマに仕上げられず申し訳なく思います。しっかり原因を究明し、次戦のハイランドマスターズは万全な状態のクルマで挑みます」
「平川選手は冨本選手とのコンビネーションを熟成しながらのラリーになりました。最終SSではMCC2番手タイムを刻み、最終戦のハイランドに向けて、いいかたちで終わることができました」


