6月30日に行われたWRC世界ラリー選手権第8戦ポーランドの競技2日目、3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRTはヤリ-マティ・ラトバラが総合3番手で優勝争いを展開。ユホ・ハンニネンが総合8番手につけた。残るエサペッカ・ラッピはマシントラブルでリタイアを余儀なくされている。
シリーズ屈指の高速グラベル(未舗装路)イベントであるラリー・ポーランド。競技2日目は連日降り続く強い雨の影響で、ウエットコンディションのなか争われた。
この影響でステージの一部には雨水が溜まって路面が滑りやすい泥状になり、グリップレベルが下がるなど難しいコンディションに。そんななか、エースドライバーのラトバラはSS2でステージ2位、SS3でステージ優勝を果たして総合首位に浮上する。
その後、ラトバラは5秒近くまでリードを広げたが、午後のステージで轍が深くなるにつれてペースダウン。SS8で総合首位の座を奪われると、最終的にトップと6.6秒差の総合3番手で走行を終えた。
前日のSS1でジャンプスタートがあり、10秒のタイムペナルティを受けたハンニネンは堅実な走りでポジションを挽回。総合8番手まで順位を回復している。
SS2〜4まで連続でステージトップ5に入る快走をみせていたラッピは、SS4でコーナーのイン側をカットした際、内側にあった石と接触して右フロントのサスペンションを破損。走行を続けることができず、今季初のリタイアとなった。
「今日は大変な路面コンディションだったが、ポジティブな要素も多い1日だった」と語るのはチーム代表のトミ・マキネン。
「ヤリ-マティ(・ラトバラ)は素晴らしい走りで午前中、ラリーをリードし、1日が終わった段階でトップを狙える良い位置につけている。上位とのタイム差は小さいから、明日もきっと激しい戦いが続くだろう」
「ユホ(・ハンニネン)は、誰もが簡単にミスしやすい難しいコンディションをうまく切り抜けた。エサペッカ(・ラッピ)はリタイアとなり長い距離を走れずに残念だが、きっと何かを学んでくれると思う」
優勝争いを繰り広げるラトバラは「朝のSSはクルマに自信を持つことができたから良い走りができたと思う。ライバルとの差はまだ小さいので戦いはこれからだ」とコメント。
ハンニネンは「明日は、できれば少し乾いた路面コンディションになって欲しい」と述べているほか、リタイアとなったラッピは「完全に自分のミスだから、これを貴重な教訓として今後の成長に役立てたい」と語っている。
7月1日の競技3日目はサービスパークがあるミコワイキの東北部を中心にSS11〜19の9SSを走行。合計距離は144.74km、総走行距離は579.75kmだ。