WRC世界ラリー選手権に参戦しているシトロエン・レーシングを率いるイブ・マトンは、セバスチャン・ローブを新型WRカーのテストに招集することは「以前から検討していた」と語った。
2017年のWRCにシトロエンC3 WRCを投入しているシトロエンは開幕戦から苦戦を強いられている。
マシンのパフォーマンス改善の一環として、シトロエンが所属するPSAプジョー・シトロエングループは9度のWRC王者であるローブをC3 WRCのテストに招集。近日中にもテストを行う予定だ。
チームを率いるマトンは「ローブのテスト招集は以前から検討していたが、(シトロエン、プジョー、DSパフォーマンスのモータースポーツ活動を取りまとめる)PSAモータースポーツが誕生したことで実現した」と述べている。
「このテストを行うことには、お互いにメリットがある。我々は、世界最高のラリードライバーからマシンのフィードバックを得ることができ、セブ(セバスチャン・ローブ)は最新のWRカーをドライブし、好奇心を満たすことができるんだ」
上述のとおり、苦戦を強いられているシトロエンはチームランキングで最下位と低迷。トップのMスポーツとは150点差、ランキング3番手のトヨタとも58点差がついている。
ドライバーズランキングでも、若手のクレイグ・ブリーンが7番手、エースのクリス・ミークは11番手となっている。このうち、ミークに関してはチーム戦略の一環で第8戦ポーランドを欠場。短いリフレッシュ期間を置いて7月27~30日の第9戦フィンランドに臨み、総合8位を手にした。
ラリー・フィンランドでミークがみせたパフォーマンスについて、「クリス(・ミーク)は正しいアプローチをしていた」とマトン。
「優勝争いに絡むことができないと判断してから、彼はペースをコントロールして、完走するための戦略に切り替えた。路面コンディションがいい時はベストタイムを狙いながらね」
「先週末に得た経験は、クリスだけでなくチームのエンジニアにも役立つものだ。まずは互いに基本に立ち返ることができた」
「次に挑む(第10戦の)ラリー・ドイチェランドは2002年から去年までの間に通算11勝を挙げている場所だ」
「同じくターマック(舗装路)イベントだった(第4戦)ツール・ド・コルスでは、マシントラブルが起きるまでクリスが独走していたから、それを再現したい。ただライバルも進化していることは確実だがね」
「先日アナウンスしたとおり、ラリー・ドイチェランドにはクリスとクレイグ(・ブリーン)、そしてアンドレアス・ミケルセンの3名を送り込む」