かつてWorldRX世界ラリークロス選手権でも活躍した『ミニ・RXスーパーカー』が2018年のシリーズ復帰に向け再始動。元ドライバーを務めたリアム・ドーランが新たな参戦プロジェクトを計画していることがわかった。
ラリークロスを始め、エクストリーム・モータースポーツの世界で長らく活躍を続けてきたリアム・ドーランは、GRCグローバル・ラリークロスの前身でもある”Xゲーム”で2度のゴールド・メダリストにも輝いたトップドライバーとして知られ、2016年までWorldRXドライバーとしても戦ってきた。
そのドーランは、2018年シーズンに向けイギリスのコンストラクターで『ミニ・RXスーパーカー』の製作を手がけたJRMグループから3台のマシンと開発設備を購入。ドーラン自身が運営し、英国ラリークロス選手権などで戦ってきたリアム・ドーラン・モータースポーツ(LDM)でチーム運営と開発作業を引き継ぎ、2018年のシリーズ投入を計画している。
2018年にWorldRX、ユーロRX、英国選手権のどのシリーズをメインに活動するかなど、詳細はまだ確定に至っていないものの、英国選手権でLDMに所属したスティーブ・ハリスは「どのイベントにも参戦可能で、希望者には売却することも、レンタルすることも可能だ」と話す。
「リアム(・ドーラン)と僕は一緒にこのプロジェクトに取り組んできた。彼はマシン(ミニ・RXスーパーカー)のポテンシャルと可能性を信じているし、僕は彼を信じている」とハリス。
「それが売却にせよ、レンタルにせよ、このマシンは大いに楽しめると思う。信じられないほどの速さを持っていることは間違いないからね」
ドーランが初めてラリークロス競技に持ち込んだミニは、WRC世界ラリー選手権に参戦したWRカーを出自とするプロドライブ製のシャシーやフレームをベースとしたマシンで、2013年にはドイツ・ミュンヘンで開催されたXゲームを制覇。
2014年後半にはそのプロジェクトをJRMが買い取り、2015年にはドーランを起用してWorldRXにスポット参戦を開始。その翌年にはフル参戦を果たしている。
その活動を通じてラリークロス向けの最適化を進めたJRMは、当初搭載していたWRC用GRE(グローバル・レース・エンジン)の1.6リッター・ターボから、自社開発の2リッター・ターボへの換装を行うなど、開発を続けてきた。