1月に開催された世界ラリー選手権(WRC)開幕戦ラリー・モンテカルロで、フォルクスワーゲンが今シーズンをもってWRCから撤退するのでは? という噂が流れた。その真偽を確かめるべく、とあるフォルクスワーゲンWRCチームの関係者と話をしたところ「ノーとは言えない」という返事だった。
昨年、例の排ガス不正問題が浮上した時、チーム代表のヨースト・カピートは「我々のWRCプログラムは影響を受けない」と語っていたが、そのカピートもあと数ヶ月でチームを離れ、マクラーレンF1チームのCEOに就任する。
チーム離脱と排ガス不正問題は何も関係がないとカピートはモンテの現場で強調していたが、少なくともWRCプロジェクトを支えて続けてきたカピートがいなくなることは、チームにとってポジティブな材料ではない。話を聞いたチーム関係者も「カピートの後任が誰になるかで、今後の方向性は見えてくるだろう」と語っていた。もしも、非常に力があると思われる人物が就任したならば、それは来季以降もWRC参戦を続ける意志があることの現れ。しかし、もしそうでなければ店じまいに向けての準備に入るというサインだろうと、その関係者は言う。
決断は遅くとも秋の第13戦グレートブリテンまでには下され、もし撤退となった場合はチームのスタッフやドライバーに他チームへの移籍を交渉する時間的猶予を与えるはず。かつて日本メーカーがやったように、シーズン終了後に撤退を発表し、選手やスタッフを路頭に迷わせるようなことはしないはずだ。