ERCヨーロッパ・ラリー選手権に参戦するフランスのサンテロック・レーシングは、2018年にロシア人として史上初のERC王者に輝いたアレクセイ・ルカヤナクをテストに招聘。2019年から本格投入する『シトロエンC3 R5』のステアリングを託し、ポテンシャル確認とマシンセットの準備作業を進めると、ルカヤナクは続く年明けにはイタリアチームの『シュコダ・ファビアR5』のテストも請け負うなど、立て続けに複数車種のドライブを経験した。
ブランパンGTシリーズなどでも活動し、ERCではR5カーでの若手育成に加えてR2でのジュニアチームも運営するサンテロック・レーシングは、これまでERCジュニアU28、同U27登録で若手有望株のドライバーにチャンスを与える活動を続けてきた。
そのサンテロックはこれまで同プログラムで使用してきた『プジョー208T16』に代え、今季から『シトロエンC3 R5』を本格投入することを決定。2018年12月年末にERCチャンピオンのルカヤナクを迎えて、フランス東部バランス近郊で走行テストを重ねるとともに、マシンポテンシャルの評価作業を行った。
チームによれば、ルカヤナクの参加は来季向けのドライバー選抜候補というより来季のプログラムでターゲットとなるパフォーマンス指標を導き出すことが目標だと説明。ラリーマネージャーを務めるビンセント・ドゥシェは「サンテロックとしても、このニューカーでERCのタイトル戦線に加わりたいと考えているんだ」と付け加えた。
「だからこそ、あらゆる可能性を模索したいと思っている。我々としてもアレクセイ(・ルカヤナク)のような素晴らしく速いドライバーにC3 R5を試してもらうのは最高の財産になったし、彼のフィードバックはとても興味深いものだった」
一方、昨年までロシアンスポーツ・チームの『フォード・フィエスタR5』をドライブしてきたルカヤナクは、新たなR5規定車両の経験を「とても印象的な瞬間だった」と評した。
「このシトロエンはとても良い感覚でドライブできるマシンで、力強さを感じさせるね。でも、サンテロックと今後どのような関係を築いていくかはまだ分からないんだ」
さらにルカヤナクは、2019年1月初旬にステップ5モータースポーツの『シュコダ・ファビアR5』もテストし、シーズンを前に着々とR5規定車種の経験を蓄積するとともに、今季ERCシーズンに投入することを計画していた姉妹モデル『フォルクスワーゲン・ポロGTI R5』に対し、有益な情報を持ち帰ることとなった。