ABBフォーミュラE選手権のCEOであるアレハンドロ・アガグなどが中心となり、2021年1月の開幕を目指して作業が進むフルEVオフロード・シリーズ『Extreme E(エクストリームE)』。その初年度マシンのベースとなる電動SUV『Odyssey 21(オデッセイ21)』プロトタイプが、7月開催のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2019の会場で初公開され、9月から本格的な走行テストを開始するとアナウンスされた。
シリーズ初年度に向けたベースモデルとなる、このプロトタイプEVは、フォーミュラEでも創生期に技術開発を担当したスパーク・レーシング・テクノロジーズ社によるもので、北極やヒマラヤ、サハラ砂漠、アマゾンの熱帯雨林、インド洋に浮かぶ島々など、過酷な自然環境で戦うチームが、独自パッケージを開発する際のベースラインとして供給される。
2019年1月末に南太平洋に浮かぶセントヘレナ島に向け就航していた貨客船RMS St Helena(セントヘレナ号)の船上でラウンチイベントが催され、すでに役割を終えている同客船を“フローティングパドック”としてシリーズで活用するプランも明かされている。
ABBフォーミュラE選手権CEO兼創設者で、エクストリームEシリーズのファウンダーでもあるアガグは「エクストリームE向けSUVであるオデッセイ21は、どのモータースポーツ・ジャンルのマシンとも異なるユニークな存在だ」と語った。
「業界をリードするパートナーがその設計と製造に採用した最先端の技術は、地球上で最も過酷で多様な環境のなかで最高の性能を発揮することができる素晴らしいマシンを生み出した」
「スポーツイベントとしてトップレベルのオーガナイズとコンペティション、そして超過酷で要求レベルの高い、厳しい環境の組み合わせも、マニュファクチャラーにとって重要な研究開発プラットフォームとなり、持続可能なモビリティのさらなる進歩を促進するものになるはずだ」