8月1〜4日に行われるWRC世界ラリー選手権第9戦フィンランドに向けて、参戦するドライバーたちがコメントを発表している。
6月13〜16日に行われた第8戦イタリアから約2カ月のサマーブレイクを経て迎えるラリー・フィンランド。全14戦で構成され、1月に開幕した2019年のWRCも、ついに後半戦へ突入する。
シーズン後半戦幕開けとなるラリー・フィンランドはWRCのなかでもっとも平均速度の高いハイスピードイベントで、ほかのイベントと比べるとドライバー同士のタイム差が開きにくい1戦でもある。そのため、小さなミスが大きなタイムロス、順位変動を招きかねない戦いでもある。
ステージにはジャンピングスポットとなる起伏も多く、その先にはブラインドコーナーが待ち受ける箇所もあるため、ドライバーとコドライバーには極めて精度の高いペースノート作りが求められる。
2018年大会はステージ全体の65%が新コースとなる大改革が行われたが、2019年大会のステージはいくつかのステージで微修正が加えられた程度で、まったく新しいステージは土曜日に行われるSS15/19のみ。このステージは2014年以来に使用されるステージだ。
大会は8月1日(木)の現地9時(日本時間15時)に開幕前最後の走行チャンスとなるシェイクダウンがスタート。全長4,26kmのステージでセットアップの最終確認などが行われる。
その後、現地19時(日本時間2日1時)にサービスパークがおかれるユバスキュラ市街地で2.31kmのSS1が行われて競技が開幕する。このSS1はターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)が混在するミックスステージだ。
翌2日(金)から本格的な高速バトルが幕を開け、この日はSS2〜11までの10SS、翌3日(土)はSS12〜19までの8SSが行われる。
競技最終日の4日(日)はSS20〜23の4SSで争われ、このうちSS23はステージ上位5名にボーナスポイントが与えられるパワーステージに設定された。同ステージは現地13時18分、日本時間で19時18分ごろにスタートする予定となっている。
大会合計で全23SSが行われ、その合計距離は307.58km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1373.67kmとなる。
WRC最上位クラスを戦う4チームはシトロエンを除く3チームが3台体制でのエントリーを予定していたが、このうちMスポーツ・フォードは20号車フォード・フィエスタWRCをドライブする予定だったヘイデン・パッドンが事前テストでクラッシュ、マシンが大破したため参戦を断念。そのためMスポーツも2台での参戦となる見込み。
そのMスポーツではレギュラードライバーのひとりであるエルフィン・エバンスがラリー・エストニアで負った怪我の治療に専念するため、ラリー・フィンランドをスキップ。代役としてガス・グリーンスミスが自身2度目の最上位クラス参戦を果たす。
複数名のドライバーをローテーションさせてシーズンを戦っているヒュンダイ陣営は、ティエリー・ヌービル、アンドレアス・ミケルセンに、昨年までシトロエンに所属していたクレイグ・ブリーンを加えた布陣で参戦。ブリーンが実戦でヒュンダイi20クーペWRCをドライブするのは、これが初めてとなる。
シトロエンとTOYOTA GAZOO Racing WRTの布陣に変更はなく、セバスチャン・オジエとエサペッカ・ラッピがシトロエンC3 WRCを、オット・タナク、ヤリ-マティ・ラトバラ、クリス・ミークがトヨタ・ヤリスWRCをドライブする。
下位クラスのWRC2には勝田貴元が新型フォード・フィエスタR5で参戦するほか、ワークスが競うWRC2プロにもエリック・カミリが新型フィエスタR5で参戦する。