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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2019.09.10 10:34
更新日: 2022.11.22 13:09

D1王者の川畑真人、アジアクロスカントリーラリー初挑戦クラス2位に「自分の腕を信じて走れた」

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ラリー/WRC | D1王者の川畑真人、アジアクロスカントリーラリー初挑戦クラス2位に「自分の腕を信じて走れた」

 TOYO TIREは2019年8月10日~16日の7日間、タイ王国~ミャンマーで開催されたオフロードレース『第24回サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2019(AXCR、通称アジアンラリー)」に参戦したFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES(監督:俳優の哀川翔さん)にSUV用オフロードタイヤ『OPEN COUNTRY M/T』を供給した。

 同チームのドライバーを務めたのは、D1グランプリで3度のチャンピオンに輝いた川畑真人で、クロカン初挑戦にも関わらず、クラス2位の好成績を残した。このレースレポートがauto sport 2019年9月20日号 No.1514に掲載されている。

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 D1グランプリで3度のシリーズチャンピオンに輝いた川畑真人が、ドリフトとは似つかぬ、泥まみれのクロスカントリーラリーに挑戦! そんなニュースが国内外を駆け巡ったのは今年6月のこと。今年の東京オートサロンで俳優の哀川翔さんに誘われたときは「半分冗談だと思いました(笑)」というが、あれよあれよという間に話は進み、FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESのドライバーとしてAXCRに出場することに。

アジアクロスカントリーラリー2019は8月10日〜16日の7日間、タイ王国〜ミャンマーで開催された。
アジアクロスカントリーラリー2019は8月10日〜16日の7日間、タイ王国〜ミャンマーで開催された。

 マシンはトヨタ・ランドクルーザープラド。タイヤはトーヨータイヤのマッドテレイン『OPEN COUNTRY M/T』である。オフロード未経験のドリフトチャンプがどこまでやれるのか。ツカミはOK。抜群の注目度のなか、プロジェクトがスタートした。迎えた8月の本戦。初日の500kmを走り終えた川畑は「思わぬ相手に手を焼いています」と複雑な表情を見せる。

「クルマ的にはコントロール下にあって、タイヤのグリップも良く、ブレーキも充分に効くので、ギャップ手前で車速を落とせばいいだけなのですが、コースのあちこちにある穴が想定外に大きく、きっちり速度を落とさないと、クルマを壊してしまうんです」

「タイムロスは最低限にしたい。でも、目視だけでは分からない……。踏みたいのに踏めない。これって、サーキットでは起き得ないことなんですよ!(笑)」

 それでも、2日目にはだいぶ慣れ「クルマや路面のクセはつかめてきている」と自信を増してきていた。ところが、3日目の午前中に大きくミスコースし、タイムをロス。「ナビゲーターが現在地を見失いかけていたときに、どんどん先に行っちゃったんです。結局、かなりの距離を戻りました。独りよがりな気持ちがあるほど、ロスが大きくなることを痛感しましたね」

 AXCRは世界でも有数の“ナビゲーション・ラリー”。WRC世界ラリー選手権のようなレッキ(事前の下見走行)はできず、前夜に渡されるコマ図を頼りに初めての道を競技速度で走る。ゆえにミスコースはトップチームでも日常茶飯事だ。

「だから、午後は迷いがあったら分かるまで停まろう、ということにしたんです。迷ったときは僕もコマ図を見て、ナビゲーターと意見をすり合わせる。そしたら、タイムをグッと短縮できたんです」

 実は、ここがドライバーとナビがギクシャクするかどうか、チームがうまく回るかどうかの境目。川畑はそこに3日で気づいた。

「今まではクルマを壊すことなく速く走るということだけを考えていたんですけど、1.潰さない、2.迷わない、3.速く走る、と優先順位を変えました。これは自分との戦いですね。それが分かっただけでもラリードライバーとしてちょっと成長できたかなって」

 トップドリフターとしてのプライドを持ち込まずオープンに構え、自分が気づくことを重視したのだ。だが、4日目以降のミャンマーステージは想像をはるかに超えてハードだった。川畑も5日目の渡河エリアといくつか大きめのギャップでラジエーターを破損し、オーバーヒートさせてしまう。

 しかし、ここから強運を発揮。まず、計時区間を抜けるまでエンジンが保ってくれた。その後12時間かけてリエゾンを移動。最大のペナルティを覚悟するも、2輪がミャンマーの高速道路を走れなかったこともあり、全車の到着時間が不問に。

 そして、エンジン修理が翌朝のスタート5分前に終了。最後はマシンを労りながらゴールへ運び、初出場でT1Gガソリンクラス2位という成績を収めてしまった。

ドリフトチーム「Team TOYO TIRES DRIFT」所属の当社契約ドライバー川畑真人選手。「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」から、今回オフロードレースに初挑戦し、T1Gガソリンクラス2位を獲得した。
ドリフトチーム「Team TOYO TIRES DRIFT」所属の当社契約ドライバー川畑真人選手。「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」から、今回オフロードレースに初挑戦し、T1Gガソリンクラス2位を獲得した。

「葛藤やツラい場面もありましたけど、低μ路でのマシンコントロールという面ではクルマとタイヤ、そして自分の腕を信じて走ることができました」

「OPEN COUNTRY M/Tはドライでもウエットでもドライバーの気持ちを路面にしっかり伝えてくれる、いいタイヤでした。大柄で重いプラドを思いどおりに振り回すことができたし、狭い立木の間を中高速ですり抜けることもできた。運転していて、爽快感がありましたね」

「それに、僕のクルマではパンクはゼロ。できれば、来年もこのチーム、このタイヤで挑戦したいですね。応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました!」

7年連続の総合優勝を果たしたナタボン選手(タイ)のISUZU D-MAXもOPEN COUNTRY M/Tを履く。
7年連続の総合優勝を果たしたナタボン選手(タイ)のISUZU D-MAXもOPEN COUNTRY M/Tを履く。
今年はOPEN COUNTRY M/Tの装着車は非常に多く、総合トップ10だけでも1、2、5、6、8位と5台。ジムニークラスは4台全車が装着。
今年はOPEN COUNTRY M/Tの装着車は非常に多く、総合トップ10だけでも1、2、5、6、8位と5台。ジムニークラスは4台全車が装着。

■問い合わせ

TOYO TIRE株式会社:https://www.toyotires.co.jp


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