2021年の創設がアナウンスされている電動SUVによるオフロード・シリーズ『Extreme E(エクストリームE)』に参戦するHWAレースラボが、初年度に投入するマシンを初公開し、フルEVオフロードカーを公開したチーム1番乗りとなった。また、シリーズは新たにブラジル・パラ州のアマゾン熱帯雨林地域でのシリーズ戦開催もアナウンスしている。
電動モータースポーツの先駆者的存在である、ABBフォーミュラE選手権に2019年末のシーズン6からワークス参戦を開始するメルセデスは、本格参入を前に先行部隊としてDTMドイツ・ツーリングカー選手権でもオペレーションを担当したHWA AGの“HWAレースラボ”をフォーミュラEシーズン5に送り込んできた。
そのHWAレースラボは、フォーミュラEと同じくアレハンドロ・アガグが提唱する電動SUVによる新レースへの参入も表明。9月最終週にオーストリア・シュピールベルグで開催された“クローネEモビリティ・プレイ・デイズ”にシリーズに投入するマシンを持ち込んだ。
このエクストリームE用車両は、初年度に向け『ODYSSEY 21』と呼ばれる共通コンポーネントやボディパーツを使用したモデルが用意され、参戦チームはそのキットをベースに独自のボディワークやパワートレインの開発が許されている。
HWAレースラボもフロントマスクに独自デザインを採用しているものの、主要コンポーネントの大半はこの共通キットを使用したものだと明かしている。そのためすでにシェクダウンテストを含めた初期のプログラムを、フランスとレッドブル・リンクで成功裏に終えているという。
「まずはこの、エクストリームE向けプロトタイプを一般に向け公開できたことをうれしく思っている」と語ったのは、HWA代表を務めるウルリッヒ・フリッツ。
「マシンのサイズが壮観で圧倒的な迫力を有するだけでなく、主要な数値的パラメータや初期のインプレッションも非常に有望なものとなっている」
「HWAレースラボとしては、レース参戦に先立ってエキサイティングな開発テスト期間が充分に残されている。真に新しい、先見の明を持つスポーツのフォーマットが世に出た際、そのスタートアップから関与できる機会を得ることは滅多にないチャンスなんだ」
「我々としてもこの栄誉にワクワクしているし、エクストリームEのプロジェクトにフルコミットしていくつもりだ」