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ラリー/WRC ニュース [PR]

投稿日: 2019.11.27 16:59

第52回バハ1000が閉幕。初挑戦バトンは完走ならず「17時間くらいは星空の下にいた」

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ラリー/WRC | 第52回バハ1000が閉幕。初挑戦バトンは完走ならず「17時間くらいは星空の下にいた」

 メキシコのバハ・カリフォルニア半島を舞台に争われたオフロードレース『スコア・バハ1000』の第52回大会がフィニッシュを迎え、開催地であるエンセナーダ出身のアラン・アンプディアが優勝した。大会初挑戦のジェンソン・バトンはマシントラブルからにより完走はならなかった。

 アメリカのカリフォルニア州サンディエゴとの国境にあり、太平洋に面するバハ・カリフォルニア半島を舞台に争われるバハ1000。半島を横断するように設定されたルートを昼夜を問わず走行してフィニッシュを目指すイベントだ。

 第52回大会は全4大会で構成されるスコア・ワールド・デザート・チャンピオンシップの最終戦として、11月19~24日がレースウイークに設定された。大会の全行程は800マイル(約1290km)だ。

 レーススタートは当初22日(金)の予定だったが、開催エリア周辺にはレースウイークの火~木に、3日間で4インチ(約101ミリ)以上の豪雨があったため24時間ディレイ。23日(土)にスタートが切られた。

 スタート地点を旅立っていたのは全クラス合計で264台。現地24日(日)23時過ぎのコースクローズまでにフィニッシュへたどり着いたのは暫定リザルトの時点で145台で、完走率は54.92%と、“世界でもっとも過酷”と言われるバハ1000らしいサバイバル戦となった。

 そんなバハ1000を制したのは、地元メキシコ・エンセナーダ出身のアンプティア。難しいコンディションのなか、TOYO TIRESを履く10号車を操り、800マイルの行程を16時間10分35秒879、平均時速49.48マイル(約79キロ)で走りきりトップフィニッシュを飾った。地元エンセナーダ出身のドライバーがバハ1000を制したのは、これが初めてだ。

 また、シリーズチャンピオン争いもTOYO TIRESユーザーのアンディ・マクミランが制した。マクミランはバハ1000を完走すればチャンピオン確定という状況でレースに臨み、途中ミッショントラブルで4時間以上のロスがあったものの、総合42位でフィニッシュを飾った。

 このバハ1000に初挑戦したバトンは、トロフィー・トラック・スペッククラスの203号車をドライブしていたが、スタートから235マイル(378km)付近でディファレンシャルトラブルに見舞われた。

 バトンは自身のインスタグラムで「あらゆる温度計は正常値だったし、僕自身もマシンをいたわりながら走行していたがトラブルが起きてしまった」と当時の状況を説明している。

「235マイル付近を走行中、突然ガチャガチャと大きなノイズが聞こえて運転できなくなってしまった」

「僕たちにとって一番問題だったのは、マシンが壊れた地点がもっとも人がいない場所だったこと。おかげで一夜中、17時間くらいは星空の下にいる羽目になった。この間に、僕たちが見かけたのは人間は、汚れたライトをきれいにするのを手伝ってほしいと頼んできたドライバーくらいさ」

「エナジーバーでお腹を満たし、火を灯し続けて助けが必要であることを周りに知らせながら、コドライバーと一緒に静寂のなかで時を過ごした。“これがバハ”と言える典型的な体験だった」

「望んでいたようなものではなかったけれど、この結果を受け入れている。この参戦を実現させてくれたスポンサー、そして少人数ながら素晴らしい働きをしてくれたチームクルーに心から感謝している」


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