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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2019.12.18 21:00
更新日: 2019.12.19 16:07

ダカールラリー:トヨタ車体、2020年はAT仕様のランドクルーザー投入。市販車部門7連覇へ

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ラリー/WRC | ダカールラリー:トヨタ車体、2020年はAT仕様のランドクルーザー投入。市販車部門7連覇へ

『チームランドクルーザー・トヨタオートボデー』として毎年ダカールラリーに参戦し続けているトヨタ車体は12月18日、2020年の同ラリーへの参戦体制を発表するとともに、従業員やサポーターを集めて壮行会を行った。通算26回目の挑戦となる今回は、新たにオートマチックトランスミッション仕様のマシンを投入することも明らかとなった。

 2020年1月5日に開幕する第42回ダカールラリー。今回は11年間続いた南米の地を離れ、中東・サウジアラビアでの一国開催となる。これはもちろん長い歴史のダカールラリー史上でも初めてのこと。1月17日まで、中間休息日を含めた13日間・12ステージで総走行距離は7800km、うち競技区間は5000kmほどという。

 さらに全競技区間の75%が砂路面と発表されていて、450kmにも及ぶロングステージの設定もありこれまでの南米・ペルー大会以上に“砂丘越え”の技術とノウハウが求められる。

 チームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)は“もっといいランドクルーザーづくり”を進めるべく、この世界でもっとも過酷と言われるダカールラリーの市販車部門に1995年から参戦している。同部門の最強王者として君臨し、2014年からは市販車部門6連覇を達成、2019年大会では悲願のワンツーフィニッシュも果たしている。

2020年ダカールラリー市販車部門に参戦するトヨタ・ランドクルーザー(同型車)
2020年ダカールラリー市販車部門に参戦するトヨタ・ランドクルーザー(同型車)

 発表会の壇上でトヨタ車体の増井敬二社長は「これまで6連覇は3度あるが、7連覇は果たせておらず、今回はぜひ達成したい」と意気込んだ。

 またトヨタ・ランドクルーザーは初代発売から68年を迎え、今年、シリーズのグローバル販売累計が1000万台を突破。新開催地となるサウジアラビアは「最も大きなランクルのマーケットでもある(増井社長)」として必勝を期した。

 ドライバーラインアップはカーナンバー320となる1号車に2017&2019年大会で部門制覇を成し遂げたクリスチャン・ラヴィエル/ピエール・ギャルサンを継続起用。

 カーナンバー338となる2号車には2018年大会で初優勝したトヨタ車体の社員ドライバー、三浦昂/ローラン・リシトロイシターのふたりをこちらも継続起用する。2015年から指揮を執る角谷裕司氏がチーム監督を務めるのも従来通りだ。

中央が社員ドライバーの三浦昂選手
中央が社員ドライバーの三浦昂選手

 さらに今大会、TLCは新たな挑戦としてオートマチックトランスミッション(AT)仕様を2台投入。これは現在のランクルオーナーが世界的にAT車を利用していることから“より身近なランクルを鍛える”べく数年前から実戦投入を視野に入れ、開発と実走テストを重ねてきたのだとか。

 このAT仕様について、開発を担当した三浦ドライバーによれば「制御プログラムの精度を上げるのに苦労しましたが、市販車のランクルのATそのままです。室内のシフトゲートやノブも市販車そのままという規定になっています」

「ATはクラッチ動作による駆動切れがないぶん、つねにトラクションをかけられるため砂丘越えに有利なことと、2ペダルになることでステアリング操作に集中できることがメリットですね。車両規定改訂もあって重量のデメリットは小さくなりましたし、すでにテストで16000kmを走破してきているので信頼性に不安はありません」と語っている。

 また同チームは環境への配慮から、2007年より代替燃料のひとつであるバイオディーゼル燃料(BDF)を使ってダカールラリーに参戦しており、2020年大会でもトヨタ車体従業員や支援企業、本社近隣地域、小・中学校などから提供を受けた廃食油を精製したBDFを使用する。

 体制発表後は“ランクルのふるさと”吉原工場にてBDFサポーターの小学校から代表児童や従業員ら350名が集い、壮行会を実施して活躍を祈願した。

 2019年大会で初めて総合優勝を果たし、2020年の大会では元F1チャンピオンのフェルナンド・アロンソも同陣営で参戦するなど注目を集めるトヨタのダカールラリー挑戦。市販車部門に長く参戦し活躍を続けるTLCの走りにも注目が集まる。

壮行会にはおよそ350人が集まり、初の7連覇達成を応援した
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BDFの贈呈式も行われ、サポーターである地元の豊田市立岩倉小学校からの生徒が給油を体験
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