WRC世界ラリー選手権を戦うMスポーツはテーム・スニネンのチームメイトとして、2019年はシトロエンで走っていたエサペッカ・ラッピを起用。フィンランド人コンビの体制となった。ドライバーは今後の飛躍が期待されている若手であることは間違いないのだが、肝心のマシンが心もとない。
モンテカルロにはフォード・フィエスタWRCの2019年仕様をそのまま投入。目立ったアップデートを実施していなかった。
チーム代表のリチャード・ミルナーは、「いまのところ、サスペンションのセットアップぐらいしか行なっていない。ヨーロッパの連戦に入るタイミングで、エンジンのアップデートを施したいと考えている」という。
それでもマシンの印象についてドライバーは、「コントロールはしやすくなっている」(スニネン)、「2019年と同様、初めてのチーム、初めてのマシンでシーズンを過ごすことになったけど、最初のテストの段階からフィエスタWRCのフィーリングはとても良かった。シャーシバランスがいいので、コントロール性は高い」(ラッピ)と高く評価していた。
ただ、モンテではオーバーヒートに苦しんだほか、スニネンがミッショントラブルに見舞われるなど、予想外のハプニングが続出。トヨタ、ヒュンダイが着実な進化を続けているだけに、マシンのパフォーマンス不足は否めない。
エンジンのアップデートを急がなければ、2019年以上の厳しい戦いを強いられることになりそうだ。