WRC世界ラリー選手権を戦った経歴を持つオランダ出身のケビン・アブリングは、2020年シーズンに向け当初予定していたFIAヨーロピアン・ラリークロス選手権(EuroRX)へのフルエントリー計画を変更し、GCコンペティション(GCK)に移籍しWorldRX世界ラリークロス選手権の複数ラウンドで、ルノー・クリオR.S.RXスーパーカーをドライブすることになった。
2020年エントリー申請期限を前に、EuroRXへのパーマネントエントリーを予定していた31歳のアブリングは、新シーズンに向けて急きょプランを変更。GCKがアップデートを進めるルノー・クリオR.S.RXスーパーカーの開発に参画し、4戦でステアリングを託されることが決まった。
2019年は開発作業初期段階からESモータースポーツの部隊に加わったアブリングは、自身が手掛けた新型シュコダ・ファビアRXスーパーカーでノルウェーのヘル戦とスウェーデンのホルヘ戦に参戦しWorldRXデビューを果たした。その実績を買われ、2020年はさらに戦闘力のあるマシンで世界選手権へ挑む環境を手にした。
「昨年は念願のWorldRXデビューを実現し、2戦ともにファイナル進出を果たすことができた。その成功体験を受け、この2020年により高いレベルでレースを戦うことができるのは素晴らしいことだ」と、新シーズンへの抱負を語ったアブリング。
「このラリークロスという競技が大好きで、年間を通じてチャンピオンシップを戦うことができるのは本当に最高なことなんだけれど、僕の目標はより長期的なスパンでこのシリーズに関わっていくことだ。今季、世界最高のドライバーたちと走れるのは、確実に前向きな一歩になるだろうね」
「もちろん僕自身、現在の世界が直面している難しい健康状況の危機について、心から懸念している。正しく危惧するべきで、誰もが安全を望んでいることは明らかだ。でも同時に、プロのドライバーとして競争力ある立場でレースに戻る日を待ち望んでもいる。状況が収まればすぐにラリークロスでの勝負に臨み、最高のショーを披露するつもりだ」