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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2020.04.07 17:06
更新日: 2020.04.07 17:07

WRC:2022年『ラリー1』は進化か後退か。勝田貴元「トップカテゴリーは最高のテクノロジーを備えていてほしい」

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ラリー/WRC | WRC:2022年『ラリー1』は進化か後退か。勝田貴元「トップカテゴリーは最高のテクノロジーを備えていてほしい」

 進化か、それとも後退か? 3月31日、FIA(国際自動車連盟)は2022年の導入を予定しているWRC世界ラリー選手権の新トップカテゴリーマシン『RALLY1(ラリー1)』に関して、重要なテクニカルインフォメーションを発表。要である共通ハイブリッドシステムをドイツのコンパクト・ダイナミクス社が供給すること、エンジンは現行WRカーに搭載される1.6リッター4気筒直噴ターボのGRE(グローバルレースエンジン)を継続使用することをアナウンスした。

 ラリー1規定のアウトラインに関してはすでに各マニュファクチャラーに伝えられていたが、エンジンとハイブリッドシステムをどうするかについてはなかなか最終決定に至らず、発表寸前まで議論が続けられたようだ。

 そのため、各陣営の技術陣は開発を本格化させることができず、技術規定が固まるのをいまかいまかと待ち続けていた。2022年1月の開幕戦まで約21カ月。決定はリミットぎりぎりのタイミングだったと言える。

 FIAは昨年、これまで直感的な理解が難しかったラリーカーのクラス分けを見直し、ラリー1からラリー5まで、大きく5つのクラスとすることを決めた。その頂点に立つのが、現在のWRカーに替わるラリー1。下位クラスに行くに従い、数字が大きくなっていく方式はフォーミュラカーと同様である。

 1997年に誕生したWRカーの名が消滅するのはさみしいが、ハイブリッド時代の到来を世に知らしめるためには効果的な策に違いない。

 FIAが発表したラリー1規定の概要を改めて見ていくと、どうしても冒頭に記したような疑問が頭に浮かんできてしまう。進化とはハイブリッドシステムの採用であり、これは世の中の流れに則したものである。また、ベース車選びの自由度を高めるパイプフレームの導入も、技術的には進化といって差し支えないだろう。

 スーパーGT GT500クラスと同様、スケーリングが可能となれば、より多くの自動車メーカーに参戦のチャンスが与えられる。一方で、アクティブセンターデフやパドルシフトの廃止は少なくとも技術面においては後退であり、最新、最高のラリーカーが量産車以下の駆動システムに留まるという事実に、どうしても違和感を覚える。

■歴史を繰り返すアクティブセンターデフ廃止


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