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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2020.05.26 20:00
更新日: 2020.08.19 11:15

11月のラリージャパン開催危機報道を国内プロモーターが否定「確信を持って準備を進めています」

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ラリー/WRC | 11月のラリージャパン開催危機報道を国内プロモーターが否定「確信を持って準備を進めています」

 新型コロナウイルスの世界的大流行で国内外のモータースポーツイベントの開催が不透明になっているなか、今年の11月に10年ぶりの復活開催を予定しているWRCの日本開催、ラリージャパンについて海外メディアから開催を懸念する記事が発信された。世界各国をまたぐ物流とコストの面で厳しいとのことが理由と伝えられるが、ラリージャパンの国内プロモーター代表がその懸念について取材に答えた。

 2020年のWRCは年間13ラウンドを予定していたが、開幕から3戦を終えた段階で中断され、その後の予定が経っていない。4戦目以降ではすでにアルゼンチン、イタリア開催が延期され、ポルトガル、そしてケニアでのサファリ・ラリーの今年の開催中止が発表されている。

 WRCの今季の再開は現在、8月6日からのラリー・フィンランドからの開催を目指しているというが、そこから11月のラリー・ジャパンまで順調に開催が続けられるのだろうか。ラリージャパン国内プロモーターの高橋浩司代表に聞いた。

「新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、WRCを含むモータースポーツ全体が厳しい状況下に置かれています。FIAやWRCプロモーターは8月上旬のフィンランドからの再開を目指して準備を進めています。フィンランド政府がイベント開催の制限を解除し、ラリーフィンランドが無事に開催できたとすれば、ファンや関係者にとっては何よりの朗報となるでしょう。しかしながら、新型コロナに対する状況は国によりまちまちですから、一事が万事というわけにもいかないと思います」

 11月の日本開催、ラリー・ジャパンに向けての準備はどのような状況なのか。日本の非常事態宣言の影響はどの程度あるのだろう。

「当初の予定どおり11月開催に向けて、自粛期間中も含めて全力で開催準備を進めています。開催初年度となる我々にとって、春の時期に2カ月も動きが制限されたことは大いに痛手ではありますが、愛知・岐阜の両県を始めとする各自治体や行政機関、協賛社の協力も受けながら一生懸命取り組んでいます」

「開催に向けた準備の一環としては、FIAのWRC担当チーフスチュワードのティモ・ロウティアイネン氏(マーカス・グロンホルムのコドライバー)を座長とした『ラリージャパン・タスクフォース』を組織し、メンバーとしてFIAオブザーバー、WRCプロモーター、他国のオーガナイザー経験者やメディアオフィサーなど多彩な顔ぶれが加わって、随時ビデオ会議を行いながら進捗を共有しつつアドバイスもいただいています」

 そんななか、海外メディアからラリージャパン開催に向けての懸念の報道が流れた。

「一部メディアに、ラリーニュージーランドとラリージャパンが開催の危機という内容の記事が出たことは承知しています。直後にWRCプロモーターから連絡があって、そのような話はどのレベル、どの段階でも話し合われたことはないと説明を受けました。ニュージーランドと日本がヨーロッパから遠く、物流の関係でお金も時間もかかることは事実ですが、我々は日本大会の開催について、確信を持って準備を進めています」

 日本の非常事態宣言も全国で解除され、準備が本格的に進むが、当然、イベントの開催に向けては新型コロナの感染防止対策が求められる。

「もちろん、開催にあたって感染症対策は求められると考えています。大会本部を置く愛知県の保健衛生担当局と連携をとりながら、運営ガイドラインを作成し、感染防止のための手立てを打っていきます。この準備のため、チケットの発売は当初の予定から少し遅らせざるを得ないかもしれません。詳細が決まりましたら、大会公式サイト等を通じてお知らせします」

 世界的に見れば日本の感染者数などは少ないが、WRCを開催予定の国々ではまだまだ、出口は見えていない

「この数か月の間、多くの各国オーガナイザーが苦渋の決断をするのを見てきた我々としても、楽観的であってはならないと思います。それでも我々は社会的責任を果しつつ、再びWRCの熱狂を取り戻すため、準備の手を緩めることはありません。ファンの皆さんにも何かしらの不便をおかけするかもしれませんが、それを上回るエキサイティングなラリーをお見せできるように頑張りますので、楽しみにお待ちください」

 10月からはF1日本GP、そしてMotoGPもてぎ開催、そして11月19日~22日にはWRCラリージャパンと、世界選手権が立て続けに国内で開催が予定されている。これまでとは異なり、これからのイベント開催は観客への安全面での対策などラリージャパンだけではなく、国内すべてのサーキットに新しい概念と課題が突きつけられる難しい状況だが、日本のモータースポーツを少しでも盛り上げられるよう、リアルなモータースポーツ観戦を応援したい。

2020年ラリー・ジャパンへ向けたリハーサルイベントとして開催されたセントラル・ラリー愛知/岐阜2019
2020年ラリー・ジャパンへ向けたリハーサルイベントとして開催されたセントラル・ラリー愛知/岐阜2019

ラリー・ジャパンの会見には愛知県知事や岐阜県副知事、自民党モータースポーツ振興議員連盟のメンバーが登場した
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