10月8~11日に開催される2020年シーズンのWRC世界ラリー選手権第6戦イタリアに向けて、最高峰クラスに参戦するドライバーたちから事前コメントが発表された。
新型コロナウイルスの影響を受け、大きくカレンダーが変更された2020年のWRCはシーズン終盤戦に突入。残るラウンドは最終戦ベルギーと今戦イタリアの2戦となった。
ラリー・イタリアは今季もサルディニア島が戦いの舞台となり、今シーズン最後のグラベル(未舗装路)ラリーとして行われる。そのステージはラフグラベルが特徴で、とくに出走順が早いドライバーにとっては表層の滑りやすい砂が厄介な存在になる。
その一方、ステージの再走時には深い轍が刻まれる区間も登場。また、コースのすぐ脇には木々や岩が迫り、各選手はコンディションの変化にも対応しながら正確なラインどりが求められる。
そんなラリー・イタリアは金曜日から競技がスタートし、初日に6本、2日目も6本のSSを走行。最終日に4SSを走り、3日間合計16本のSSで争われる予定だ。競技ステージの合計距離は238.84kmで前年大会と比較して72km短くなっている。
最高峰クラスに挑む各チームのドライバーラインアップは概ね変わらないが、3人目を変動性にしているヒュンダイ・シェル・モビスWRTのみ前戦トルコから変更があり先日、陣営からの離脱を発表したセバスチャン・ローブに代わって、2019年大会のウイナーであるダニ・ソルドがヒュンダイi20クーペWRCのステアリングを握ることになった。
なお、今戦では2021年から競技タイヤのワンメイクサプライヤーを務めるピレリが、新型ラリータイヤ『スコーピオンKX』を初披露する予定。シェイクダウンで登場する開発車のシトロエンC3 WRCをドライブするのは、ペター・ソルベルグだ。コドライバーはアンドレアス・ミケルセンが務めラリー最終日にはSS16パワーステージで“実戦”デビューも計画されている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
「僕はサルディニアではいつも良いパフォーマンスを発揮してきた。毎年このイベントを楽しみにしている。2019年はヤルモ(・レーティネン/コドライバー)と組んだ初めてのイベントだったけれど、自分のベストリザルト(総合2位)を出せたんだ」
「もちろん今年のイベントは秋に行われるから、状況は少し異なるかもしれない。でも同じような速いペースを出していけることを願っているよ」
「いつものようにサルディニアではレッキで集中し、注意深くすべての石をマークしておく必要がある。また、セットアップと戦略についても慎重に考えなければならない。2回のループをサービスなしでこなさなければならないからね」
「つまり僕とヤルモは、(サービスから)離れた場所で何か変更が必要になれば、クルマに積んである物だけでどうにかする必要があるということだ」
●エサペッカ・ラッピ(フォード・フィエスタWRC)
「サルディニアに向かうのが例年よりも遅い時期だから、今年は状況が少し違うかもしれない。気温はそれほど高くないかもしれないし、天気はさらに予測が難しい」
「このイベントは始終全開でプッシュできるところでは決してないけれど、今年はなおさらそうだろうね。サービスなしでステージのふたつのループを走らなければならないから、セットアップや両方の走行で効果のあるタイヤ戦略を決める際に、妥協点を考えることになるだろう」
「大変な週末になるだろうけれど、良い結果を出すと決意しているし、このイベントは僕たちがパフォーマンスを発揮できる良いチャンスだと思うよ」
●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)
「サルディニアは以前に一度参戦したことがあるだけだが、この島とステージがとても好きだ」
「トルコほど過酷なところではないけれど、スムーズでないことは明らかだし、今週も好結果を出したければ素晴らしいパフォーマンスを発揮する必要がある。それが僕たちの目標だし、自分たちにできないことだとは思わないよ」
「昨年のテーム(・スニネン)のパフォーマンスからも分かるように、マシンはサルディニアのステージと相性がいい。また、自分としても経験を重ねる度に一貫した走りができるようになっていると感じているんだ」