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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2020.12.01 17:53
更新日: 2020.12.01 17:54

ERC最終戦:“ロシアン・ロケット”2度目の戴冠。ソルベルグはERC1ジュニアを制す

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ラリー/WRC | ERC最終戦:“ロシアン・ロケット”2度目の戴冠。ソルベルグはERC1ジュニアを制す

 全6戦予定からの繰り上げで、2020年シーズン最終戦となった11月26~28日のERCヨーロッパ・ラリー選手権第5戦『ラリー・イソラス・カナリアス』は、イベント初参戦のフランス人、エイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタR5 Mk2)がシリーズ初優勝。7位に入った2018年ERC王者アレクセイ・ルカヤナク(シトロエンC3 R5)が自身2度目の年間総合王者を獲得し、19歳のオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が、28歳以下の若手を対象としたERC1ジュニアの最年少チャンピオンに輝いた。

 スペインの大西洋沿岸に浮かぶ火山帯列島を舞台とした『ラリー・イソラス・カナリアス』は、近年のERCでもシリーズ序盤戦の名物イベントとして開催されており、風光明媚な一大観光地でもあるグラン・カナリア島の起伏に富んだワインディングは、アップダウンを繰り返しながらも火山岩の迫るコーナーでの正確性が求められる、難度の高いラリーとして知られている。

 その初日レグ1(デイ1)全9SSは雨に翻弄され、タイヤコンパウンドの選択が勝負を分ける難しい展開に。最初にそのルーレットを当てたのは地元スペイン出身のニル・ソランス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)で、SS1、SS2、そしてSS4でベストタイムを記録してSS6までラリーリーダーの地位を守る。

 しかし続く12.01kmのステージでスピンを喫し、16秒あった2番手とのマージンが3秒にまで激減。続くSS8では土砂降りの豪雨に見舞われペースダウンを余儀なくされ、この日最後のSSとなる州都ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア市街地での1.53kmのスペクテイター・ステージを前に、同じくスペイン人のイバン・アレス(ヒュンダイi20 R5)に10.5秒のリードを許すこととなった。

 このレグ1ラストステージがラリーの行方にさらなるドラマを呼び込み、首位アレス、ソランス、そしてフルモーらを含む先頭走者4名が走行を終えたところでラリーとは無関係の事故で競技が中断すると、その間に空からはふたたび大粒の雨が降り、後続のドライバーはドライで先行した4名から大きくタイムを失う状況に。

 これでアレス、フルモー、ソランスのトップ3が固まり、イベント初参戦ながら年間総合とERC1ジュニア双方のタイトルを狙うソルベルグは「とても厳しいコンディションで、とても難しい朝だった」と、ステージへの知識不足と絶えず変化する状況の困難さをこぼしながらも、ノートラブルで7番手に付けた。

 同じく、1日を通じて雨量の変化に悩まされた“ロシアン・ロケット”ことルカヤナクも、ドライのSS5、SS6こそベストをマークするも、最終的に総合8番手で夜を越すこととなった。

 続くレグ2(デイ2)は、SS総距離102.10kmの全8ステージ。この日も早朝から雨が続いたターマックではフランス人ドライバーが躍進し、レグ1で総合4番手につけていたヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)がミシュランタイヤと路面のマッチングも活かして、オープニングのSS10、そしてSS12でベストを奪う速さを見せる。

2020年の総合チャンピオンを賭けて最終戦に臨んだアレクセイ・ルカヤナク(シトロエンC3 R5)とオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)
雨絡みの難しいターマック戦で、イベント初参戦のフランス人、エイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタR5 Mk2)が優勝争いを展開する
今回は久々にタイトル獲得時のコドライバーと復活ペアを組んだルカヤナクは、天候の読みとタイヤチョイスに泣く展開に
ラリー・ファフェで総合2位だったスペイン人のイバン・アレス(ヒュンダイi20 R5)が「正しいタイヤ選択でグリップを得られた」とレグ1で首位に立つ

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