2021年3月開幕を予定する電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権『Extreme E(エクストリームE)』。その新シリーズに参戦する計画の元F1王者ニコ・ロズベルグ率いるロズベルグ・エクストリーム・レーシング(RXR)は、WorldRX世界ラリークロス選手権3冠王者ヨハン・クリストファーソンに続き、女性ドライバーに元オーストラリア・ラリー選手権チャンピオンであるモリー・テイラーの起用を発表した。
また、初年度に採用されるワンメイク電動SUV『ODYSSEY 21(オデッセイ21)』が、開幕を控えて初めて北米にもデリバリーされ、名門チップ・ガナッシ・レーシング(CGR)やアンドレッティ・ユナイテッドらがプライベート・シェイクダウンを済ませている。
現役F1王者ルイス・ハミルトンのチーム設立に続き、元僚友のロズベルグも参戦を表明して話題となったRXRは、WorldRXチャンピオンのチームメイトにステージラリーで随一の実績を残してきたテイラーの抜擢を決めた。
現在32歳のテイラーは、2013年にERCヨーロッパ・ラリー選手権のレディス・チャンピオンを獲得すると、2014年にはWRC世界ラリー選手権のジュニアWRCクラスに参戦し、ラリー・フィンランドで表彰台を獲得。
2015年には地元オーストラリアの国内選手権で総合ランキング2位につけると、翌年にはオーバーオールでシリーズを制し、同選手権初の女性チャンピオンとなった。
その後も2019年まで毎年のように豪州選手権でタイトル争いを繰り広げたテイラーは、2019年に創設されたTCRオーストラリア・シリーズにも挑戦し、ケリー・レーシングのスバルWRX STI TCRでサーキット・ドライビングの経験も積んできた。
近年は“FIA Girls on Track”のアンバサダーも務めるテイラーは、この独創的なオフロード・シリーズ参戦に向け「再び国際舞台で戦うことができ、まったく新しいチームとシリーズに参戦できることにとても興奮している」と、意気込みを語った。
「シリーズの目指すコンセプトに賛同し、気候変動と戦うとともにジェンダーの平等を促進するため、チームや仲間たちと協力できることにワクワクしている。私は兼ねてから発言してきたように、モータースポーツの大好きな部分として、ヘルメットを被れば性別はまったく無関係になり、ストップウォッチは決して偏見を抱かないことが気に入っているの」と続けたテイラー。
「私たちの業界で多様性を改善するため、やるべきことはまだたくさんある。でもRXRとエクストリームEの努力は、若いファンの目に私たちのスポーツのイメージを再形成する新しい機会をもたらすはず。そして、その一部として働けることをとても楽しみにしているわ!」