WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは1月21~24日、フランスおよびモナコで開催される2021年シーズン開幕戦モンテカルロに、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラが駆るトヨタ・ヤリスWRCの3台体制で臨み、2017年のシリーズ復帰以来、毎年表彰台を獲得している同地での総合優勝を狙う。
伝統のラリー・モンテカルロはWRCのなかでもっとも古い歴史を持つラリーで、その初開催は1911年まで遡る。このラリーの最大特徴はターマック(舗装路)でありながら、ドライ、ウエット、アイス、スノーとステージや、ステージ途中の部分的に路面コンディションが異なる点だ。
これらそれぞれに対応したタイヤは用意されているものの、タイヤのタイプ毎に使用制限があるほか、1本のステージの中でコンディションが激変することを多いため、その選択は難しいものとなる。また、今季はタイヤを供給するメーカーがミシュランからピレリに替わっており、これまでのデータが使用できないという難しさもある。
そんな2021年のモンテカルロは初開催から110周年を迎える記念すべき大会となるが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で残念ながら無観客での開催が決定済み。
また、ステージの走行距離も大幅に短縮された他、夜間の外出制限が続くことから名物のナイトステージが廃止に。さらに今回はシェイクダウンが行われないため、選手たちはレッキ(事前のコース下見)の後、いきなり最初のステージに臨むことになる。
ラリーは21日(木)に開幕し、14時過ぎからフランス・ギャップの北側で2本のステージを走行する。翌日は西に向かい、ギャップでのサービスを挟みながら5本のSSを消化。22日(土)はサービスパークの東側で3本のステージを走ったのちにモナコへと移動するスケジュールだ。
最終日の23(日)はモナコを基点に北西に広がるフレンチアルプスで2本のステージのループが待ち受け、この日4本目の最終ステージはステージ上位ドライバーにボーナスポイントが与えられる“パワーステージ”となっている。全14本のSSの合計距離は257.64km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1392.88kmだ。