フランスとモナコの2カ国をまたぐかたちで、1月21~24日に開催されるWRC世界ラリー選手権2021年開幕戦モンテカルロに向け、Mスポーツ・フォード、ヒュンダイ、トヨタの3陣営から今戦に出場するドライバーたちの事前コメントが発表された。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて大幅にスケジュールが変更されて行われた2020年シーズンに引き続き、感染症対策を実施した上でに開催となる伝統のラリー・モンテカルロ。今季は名物のナイトステージが当局の夜間外出制限よって廃止された他、走行距離も大幅に短縮されている。
一方、暖冬だった昨年とは対照的に、21年は積雪量が多くラリー・モンテカルロ特有の次々に変わる路面コンディションが選手たちを待ち受けることになりそうだ。また、各チームは開幕戦に向けて事前テストを実施し、今季から導入されるピレリタイヤと車両のマッチングを研究しているが、そのなかで最適解を見つけ出した陣営、ドライバーが伝統のラリーでウイナーとなる可能性がもっとも高いと言えるだろう。
21日(木)から4日間にわたって行われるラリーはギャップに拠点が置かれ、初日はギャップ北側で2本のSSを走行し、翌日はサービスを挟みながら5本のステージで争われる。土曜日はSS3本を走行した後、200km以上離れたモナコへと移動。最終日はモナコ北西部に広がるフレンチアルプスを舞台に2ステージのループが待ち受ける。
全14本のSSの走行距離は257.64km、リエゾン(移動区間)を含めたラリーの総走行距離は1392.88kmだ。
■Mスポーツ・フォードWRT
●ガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC)
「ラリー・モンテカルロのようなイベントは他にはない。僕にとってはいつだって特別なイベントなんだ。ここで僕は初優勝(編注:2019年のWRC2プロクラス優勝)を果たした」
「シーズン中の他の場所にはないような挑戦を本当に楽しめるんだ。走行していて、これほど満足できるラリーは他にはない。ラリーに戻って、今年はモンテが何をもたらしてくれるのか見るのが待ちきれないよ!」
「でも、このイベントは正しく進めば報われるが、容赦のない結果になることもある。経験が大きく物を言う。だからテストを行なって経験を積めたのはよかった」
「走行距離を稼ぎ、コンディションと新しいピレリタイヤについてできる限り学んだよ。いつものように、これは大きな挑戦だ。でも僕はとても楽しみにしている」
●テーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)
「新シーズンのスタートを迎えるのは素晴らしいね。チームが僕を引き続き信頼してくれていることに大きな感謝を伝えたいよ」
「本番の前に数日間のテストができたのはよかった。知識と経験をできる限り増やすことに集中していた。コンディションとセットアップの両方についてだ。今年初めて使うことになるピレリタイヤについてもね」
「ミッコ(・マルックラ/新コドライバー)はテストに合流できなかったから、タッグを組むのは2018年以来のことになる。でも一度ラリーに出れば、すべてがよみがえると確信しているし、僕たちは最善を尽くすつもりだ」
「ラリー・モンテカルロでは何が起きても不思議ではない。あらゆるチャンスを最大限に活かし、可能な限り最高の結果を求めてプッシュしていくよ」
●エイドリアン・フルモー(フォード・フィエスタ・ラリー2)
「毎年、ラリー・モンテカルロは大きな挑戦を投げかけてくる。今年、この伝説的なイベントでふたたびシーズンをスタートできるのはすごいことだ」
「コンディションはつねにトリッキーで、今年もそれは変わらないと予想している。でもこうしたコンディションが素晴らしい展開を作り出すんだ。僕たちが今年そうした展開の一部になれることを期待しているよ!」
「僕たちはフォード・フィエスタ・ラリー2で、WRC2クラス優勝にあとほんの少しのところまで近づいた。僕たちには優勝するのに必要なものがすべてそろっている」
「そして、今週末にそれを達成できたら素晴らしいことだ。WRCのなかで、このラリーは事実上、僕のホームラウンドだからね」