ラリークロス界の名門コンストラクターであるOlsbergs MSE(オルスバーグMSE)と、燃料潤滑油企業のP1 Performance Fuels GmbH(P1パフォーマンス・フューエルズ)は3月9日付で声明をリリースし、Race Of Champions(レース・オブ・チャンピオンズ/RoC)初のスノー&アイスイベント」となる2022年大会で、両者が共同開発した100%化石由来成分を使用しないバイオ燃料を供給すると発表。その燃料を使用する従来のスーパーカー・ライトクラスに加えて、電動ラリークロス車両として開発された『FIA RX2e』も新たに供給するとアナウンスした。
RoCで2017年大会以来採用され、フォードのフィエスタを模したボディを架装するワンメイク4WD車両のスーパーカー・ライトは、2022年大会よりイベントの歴史上初めて、石油を含まない100%化学合成燃料で走行することになった。
2021年初頭の発表により、スウェーデンのピーテオに史上初の氷上特設トラックを設置し、北極圏の南60マイル(約97km)にある凍ったバルト海の一大リゾート地に建設されたサーキットは、今後5年間イベントのホスト役を務める。
これまでトム・クリステンセンやセバスチャン・ベッテル、ジェンソン・バトンにペター・ソルベルグ、そしてセバスチャン・ローブらがドライブしてきたスーパーカー・ライトは、このオクタン価105のバイオ燃料を使用することにより、さらなる高出力化を実現。グリップレベルに応じて、3.85~4.10秒で0-100km/h加速をこなすマシンへと変貌する。
一方、そのスーパーカー・ライトと並んで新たにラインアップに加わる電動モデルは、今季からのラウンチが予定されるFIA RX2e選手権向けのEVラリークロス車両で、こちらもRoC スノー&アイス初のエレクトリックカーとして採用される。
オルスバーグMSEとスペインの電動化企業QEV Technologies(QEVテクノロジーズ社)が開発したRX2eは、すでに3度のWorldRX世界ラリークロス選手権チャンピオン、ヨハン・クリストファーソンらの手で開発テストが進められており、そのマシンを「印象的な“ポケットロケット”」と表現したクリストファーソンは「世界選手権レベルへの素晴らしい出発点で、正しい方向への本当の一歩」と評していた。