第2戦アークティック・ラリー・フィンランドから約2カ月のインターバルを経て、2021年シーズンのWRC世界ラリー選手権がクロアチアで再開される。4月22~25日に行われるこの第3戦を前に、最高峰クラスに参戦するMスポーツ・フォード、ヒュンダイ、トヨタの各陣営から今戦に出場するドライバーたちの事前コメントが発表された。
新型コロナウイルスの影響を受けて2020年に引き続き、欧州を中心に開催されている今季のWRC。ラリー競技の最高峰であるこのシリーズの1戦として初めて開催されるのが今週末の『クロアチア・ラリー』だ。
今シーズン初めて純粋なフルターマックで争われるこのラリーは、スロバキアとの国境に近い首都ザグレブを中心に展開され、拠点となるサービスパークは中心部のメドヴェドグラード地区に置かれる。
クロアチア・ラリーのそのものは1974年に初開催され、一時はERCヨーロッパ・ラリー選手権にも組み込まれるなど国際的なイベントとして実施されてきた歴史を持つ。
そんなクロアチア・ラリーはターマック(舗装路)ラリーでありながら、流れるようなコーナーが続くハイスピードなステージや、滑りやすく道幅の狭いステージ、路面が汚れている農道など、さまざまなキャラクターのステージが組み合わされる、多様性を含んだラリーとして知られるイベントだ。。
それゆえに、すべてのステージに共通する的を絞ったセッティングを施すことが難しく、出場するドライバーたちにとっては対応力の高さが求められる1戦となる。なお、最高峰クラスに参戦するドライバーのなかに昨年までのクロアチア・ラリー出場経験を持つ者は皆無。3メーカーの全ドライバーにとって初めてのラリーとなる。
競技は23日(金)からスタートし、初日はザグレブの南西エリアで4本のステージを走行する。翌24日(土)も引き続き同じエリアに設定された4本のSSで争われ、最終日の25日(日)はザグレブの北側で日中のサービスを挟むことなく4本のステージを実施。最終SS20は“パワーステージ”となっている。
3日間にわたって争われるラリーのSSは全20本で、その合計距離は300.32km、リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は1279.87kmだ。