WRC世界ラリー選手権は4月23日、第3戦『クロアチア・ラリー』のデイ1を迎えSS1~SS8が行われた。3台のトヨタ・ヤリスWRCでシリーズに参戦するTOYOTA GAZOO Racing WRTはこの日、セバスチャン・オジエが総合2番手、エルフィン・エバンスが僚友に次ぐ同3番手で終えた一方、若手のカッレ・ロバンペラはコースオフによってリタイアを喫した。
WRC初開催となるクロアチア・ラリーの競技初日は、サービスパークが置かれた首都ザグレブの南西エリアに設定された4本のステージを各2回走行するスケジュールで争われた。
この日は朝から晴天に恵まれたものの、前日の夜に降った雨の影響で路面の一部が濡れた状況に。また、乾いた路面であっても舗装の状態が刻々と変化する、非常にトリッキーなコンディションとなった。そんななか最年少ポイントリーダーとして1番手でラリーに臨んだロバンペラは、SS1の5.4km地点でコースを外れ崖下に転落してしまう。
幸いロバンペラと同乗するヨンネ・ハルットゥネン(コドライバー)は無事だったが、車両のダメージはロールケージにまで及んだため、競技続行は不可能となり早々にラリーからリタイアすることになった。
「高速の右コーナーがとても滑りやすく、少し進入スピードが高すぎたこともあり、タイヤのグリップを失ってコースを外れ、大きなクラッシュを喫してしまった」とアクシデントを振り返ったロバンペラ。
「僕とヨンネが無事だったのは不幸中の幸いだったが、チームに対しては本当に申し訳なく思う。コースオフは自分のミスによるものだし、今後のためにこの経験から学ばなくてはならない」
波乱の幕開けとなったなか、ベテランのオジエは午前中のSS3でエバンスとベストタイムを分け合った後、日中のサービスを挟んで行われた午後のループでSS6~8の3ステージで連続して最速タイムをマーク。
キャリア通算600回目のSS優勝を果たし、SS8でチームメイトを逆転して首位と7.7秒差の総合2番手で初日を終えた。
選手権ポイントでオジエと並ぶエバンスは、前述のとおりSS3でベストタイムを刻んだほか3本ステージで2番手タイムを記録するなど1日を通して安定感のある走りを披露。その結果オジエと0.3秒差、首位とは8秒差の総合3番手につけている。
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加し、今季全戦でトヨタ・ヤリスWRCを駆る勝田貴元はSS3終了時点で総合7位につけていた。しかし、その後ジャンクションでのオーバーシュートやエンジンのストールによって遅れ、初日を総合9位で終えることとなった。