6月6日、WRC世界ラリー選手権第5戦イタリアは競技最終日のデイ3が行われ、トヨタ・ヤリスWRCでシリーズ最高峰クラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組が優勝、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が総合2位に入ったことで、チームは今シーズン3度目のワン・ツー・フィニッシュを達成した。
また、競技初日にデイリタイアとなったカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組は総合25位でラリーを完走。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムに参加している勝田貴元/ダニエル・バリット組は前戦ポルトガルに続き総合4位を獲得している。
シーズン中盤戦、第5戦『ラリー・イタリア・サルディニア』のデイ3は、島の北端エリアに設定された2本のステージを各2回走行するかたちで争われた。SS17~20が行われたこの日は最終ステージで小雨が降ったものの、路面コンディションはほとんど変わらずドライのまま進行している。
前日にラリーリーダーに浮上し、最終日を首位で迎えたオジエは、総合2番手につけるエバンスとの間に38.9秒ものギャップがあることからボーナスポイントが懸かる最終パワーステージに焦点を合わせ、そこまでの3ステージはやや抑え気味のペースでタイヤを温存する作戦を採った。
この戦略が功を奏しオジエは最終SS20で4番手タイムを記録。今シーズン3回目、サルディニアでは自己通算4度目となる総合優勝を飾るとともに、ボーナスポイントの2点を獲得してみせた。これによりドライバー選手権のランキング首位を守ったWRC7冠王者は、ランキング2位につけるエバンスとの差を11ポイントに広げている。
総合2番手でデイ3の戦いに入ったエバンスは、オープニングのSS17とその再走ステージであるSS19でベストタイムを刻み、総合3番手につけるティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)に対するリードを37.5秒に拡大してみせる。
迎えた最終SS20ではウォータースプラッシュで水がエンジンに吸い込まれて一時的にスローダウンしたものの、直前のステージまでにライバルに築いていた大きなリードにも助けられ、今季3度目となる2位表彰台を獲得。ドライバー選手権でもランキング2位を守った。
彼らの活躍によりTOYOTA GAZOO Racing WRTは開幕戦モンテカルロ、第3戦クロアチアに続く今季3回目のワン・ツー・フィニッシュを飾り、首位に立っているマニュファクチャラー選手権でのリードを49ポイントに拡大させている。