2019年にWorldRX世界ラリークロス選手権でドライバーズチャンピオンに輝いたティミー・ハンセンが、2021年も引き続きファミリーチームとなるハンセン・ワールドRXチームからのフル参戦を表明。自らに流れるラリークロス一家の血筋が「いつだって、ここでの競争を望んでいる」と、改めてタイトル奪還に向けての意気込みを語った。
歴史上最も成功したラリークロスドライバーのケネス・ハンセンを父に持つティミーは、キャリア通算で14回のヨーロッパ選手権タイトルを持つ父の才能を受け継ぎ、2014年のシリーズ参戦以降、世界選手権化を果たしたWorldRXで確固たる地位を築いてきた。
現在29歳のティミーは、このシリーズがFIA格式の世界戦になって以降、全ラウンドに参加した3名のドライバーのうちのひとりでもあり、プジョースポールのファクトリー支援を得て大幅に進化したプジョー208WRXのステアリングを握り、通算10勝と32回の表彰台フィニッシュを獲得している。
そのティミーは、デビューイヤーの2014年からイタリア戦で初優勝を飾ると、さらに3度のポディウムを重ねて、いきなりランキング4位の成績を収めた。続く2015年には3勝をマークしタイトルまであと一歩に迫るなど、キャリア初期から堂々の実績を重ねてきた。
「僕はラリークロスが大好きだ。それはつねに自分の人生の一部であり、いつだって例えようのないほど大きな意味を持っているんだ」と語ったティミー。
その後も弟のケビンや、WRC世界ラリー選手権9冠の“レジェンド”ことセバスチャン・ローブともチームメイトとして共闘し、ついに2019年には10戦中4勝を記録して念願のドライバーズタイトルを獲得。最終戦の南アフリカでは弟のケビンと表彰台に上がり、当時のチーム・ハンセンMJPとしてチームタイトルも手にしている。
2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に揺れ、8月にシリーズ本格再開を迎える前は『World RX ESports Invitational Series』や『WorldRX Esports』など仮想空間でも活躍したが、序盤戦の出遅れが響き4回の表彰台を獲得するもランキング3位に留まった。
ただし、最終戦のスペイン・バルセロナでは2位ポディウムを獲得しており、2021年も7月23~24日に同地で幕を開ける新シーズンに向け、その勢いを維持することを切望している。