各マニュファクチャラーやチームのガレージ、ショップなどがコンパクトにまとまっているところがサービスパーク。そこでオートスポーツ本誌でおなじみのWRCジャーナリスト/フォトグラファー、古賀敬介さんがラリー観戦の満足度をグンとアップさせる『サービスパークの歩き方』を特別に教えてくれました!
※当企画は2020年6月19日に掲載した記事を修正・再掲したものです。
ドライバーの動線を読め!
ラリーを初めて観るという方はイメージが湧かないかもしれませんが、簡単に言えばサービスパークは、サーキットでいうところのパドック、ピット、ガレージに相当する場所。ラリーカーは1日に数回、ここでクルマの整備をします。
「……ということは、クルマをめっちゃ近くで見られるのでは?」とピンと来た方! 大正解です!!
しかも、サーキット以上に選手と接近遭遇するチャンスが高い。選手の動きを事前につかんでおけば、サインをもらえたり、写真を撮れたりする確率がグンと高まるというわけです。
その確率を高めるには、サービスパークに木曜から入りたいところ。木曜にはシェイクダウンという、本番前の走行確認のセッションがありますが、スケジュールはほかの曜日よりはタイトではなく、サインに応じてもらえる可能性が少し高いからです。観客が少ないのも理由のひとつですね。
競技開始後の狙い目はメディアゾーン。SSを走り終えたクルマがサービスに入る前に一時待機する場所で、取材を受ける場所でもあります。観客は入れないのですが、選手が柵まで来てサインしてくれることもあるんですよね。
各チームのサービス:メカニックたちの驚速作業を見逃すな!
金曜と土曜は朝、昼、晩と3回、クルマがサービスに入ってくるんですが、限られた時間内で整備や修理を終えてしまうメカニックの神ワザ的な作業は必見! クルマを降りたドライバーがエンジニアと話す場面なども見られ、コンペティションの緊張感を分かち合える場所でもあります。
可能なら木曜から現地へ!
通常は木曜にサービスやスタート会場でサイン会が開かれます。このタイミングなら、サインをもらえる可能性は高い! また、木曜のシェイクダウン後と、金・土曜の夜は、サービスパーク内のステージ上でトップ3選手のインタビューも行なわれますので、こちらも見逃せません。
テクニカルゾーン/メディアゾーンの外で待てばいいことあるかも?
SSを走り終えたクルマは洗車場で汚れを落した後、メディアゾーンへ。そこで選手は取材を受けますが、時間調整でかなり長い時間を過ごすこともあり、取材後フリーになる選手もいたりします。その柵の外で待っていれば、取材が終わった選手にサインをもらうチャンスがありそうです。
各マニュファクチャラーのブースで行なわれる即席会見などもチャンス!
一般の方は入場できないのですが、各チームのサービスではカコミ会見などが開かれていたりする場合があります。その終了直後のタイミングで選手に遭遇するチャンスがあるかもしれません。いずれにしても、WRCは選手とファンのコミュニケーションを重視している世界選手権なのです。
パルクフェルメ:全競技車両が集結! 撮るなら外せないポイント
1日の走行を終えたラリーカーは最終サービスを受けた後、サービスパーク内の“パルクフェルメ”で保管され、明朝のスタート時間まで動かすことができなくなります。競技中の全ラリーカーが1カ所に集まる光景は壮観で、写真を撮るのには最高のスポットのひとつ。中に入ることはNGです。
表彰台で世界選手権の雰囲気を共有!
表彰式はサービスパーク内で行なわれることが多く、いい場所を早めに確保すれば誰でもポディウムセレモニーを楽しむことができます。ただ、表彰式終了後トップ3選手は記者会見場(メディアセンター=ヘッドクォーター内)に直行するので、ここでサインをもらうのは難しそうです。
※イラストはWRCにおける「一般的な」サービスパークの例です。実際のレイアウトなどは異なる場合がありますので、ご了承ください。写真はほかのラウンドのものです。