8月28日~29日に北極圏のグリーンランド・カンゲルルススアークで争われる第3戦『Arctic X Prix』の開催を予定する電動ワンメイクSUV選手権Extreme E(エクストリームE)だが、南米大陸で進行中の新型コロナウイルス(COVID-19)感染症再拡大の影響を考慮し、初年度シーズン後半戦のカレンダー修正を発表した。
第4戦としてブラジル北部パラ州サンタレンで予定されていた10月23日~24日の『Amazon X Prix』と、同じく第5戦としてアルゼンチンはパタゴニア地方ティエラ・デル・フエゴで実施予定だった『Glacier X Prix』の2戦を延期することを決断し、その代替戦としてイタリア・サルディニア島を舞台とする『Island X Prix』を、10月23日~24日の第4戦として開催することで、当局との原則合意に至ったとアナウンスした。
地球環境保全活動とその啓蒙、さらに男女平等の理念を採用するまったく新しいEVオフロード選手権として誕生したエクストリームEシリーズは、ここまでサウジアラビアのアルウラの砂漠と、西アフリカ・セネガルのビーチでの2戦を開催し、元F1王者ニコ・ロズベルグが率いるロズベルグXレーシングのWorldRX世界ラリー選手権3冠のヨハン・クリストファーソンと、元オーストラリア・ラリー選手権王者モリー・テイラー組が連勝を飾っている。
シリーズの理念に掲げられている「気候変動の影響を強調し、世界的な二酸化炭素排出レベルの削減を支援する戦いにおいて、電気自動車と低炭素ソリューションのメリットを喧伝する」との指針から、開催各国で砂漠化や海岸侵食、プラスチック汚染の問題について現地住民らとのワークショップを実施してきたエクストリームEだが、その気候変動の一端の可能性があるとも一部で指摘される感染症の影響により、シーズン中にも初年度カレンダーの改訂を強いられることとなった。
「エクストリームEは気候変動の問題に対する意識を高め、低炭素モビリティの性能と利点を紹介するため、遠隔環境で電気自動車を用いたレースを実施するという精神に基づいて構築された」と語るのは、シリーズ創業者兼CEOを務めるアレハンドロ・アガグ。