2021年に初年度シーズンを迎えた電動ワンメイクSUVによるオフロード選手権Extreme E(エクストリームE)は、10月12日にその“シーズン1”のフィナーレとなる新たなイベントの概要を発表。代替地として追加されたイタリア・サルディニア島での1戦に続き、12月18~19日にイギリスのサウスコースト郡ドーセット、ボビントン周辺地域にある陸軍基地の施設などを活用した『the Jurassic X Prix(ジュラシック-Xプリ)』の開催をアナウンスした。
ユネスコの世界遺産登録名では「ドーセットと東デヴォンの海岸線」として知られる“ジュラシック・コースト”は、中生代の地層が150km近くも続く風光明媚な海岸線として高い知名度を誇っている。
その一部を構成するボビントンは有名なイギリス陸軍の基地でもあり、ジュラシック・コーストのすぐそばに立地する現在でも主要な軍事拠点のひとつとなっている。シリーズはこの直近にも『気候変動と持続可能性の戦略』を明らかにした英国国防省と緊密に協力し、軍事力を維持しながら環境への影響緩和を組み合わせた活動との協調を表明。
二酸化炭素排出量を削減し、再生可能エネルギーへの移行を拡大することで2050年までに排出量“純ゼロ”を目指す英国の目標に貢献し、すでに始まっている陸軍による電動装甲車と炭素効率の高いビバーク設備をコントロールする取り組みをサポートする狙いがある。
「今回シーズン最終戦のレースを戦うロケーション……つまり英国での最初のイベント実現にとても興奮している」と語るのは、エクストリームE創設者兼CEOであるアレハンドロ・アガグ。
「気候変動の影響を強調するため世界の“遠隔地”で戦うという我々のコンセプトは、事態の急速な進展により根底から覆されつつある。電動モビリティの使命は“痛烈な変化”に見舞われており、我々が話している問題は文字どおり裏庭で起こっているんだ」と続けた“電動モータースポーツの仕掛け人”とも言えるアガグ。
「つまり、このエクストリームEを身近なステージに持ち込む適切な時期だと感じた。ここにスポットライトを当て、軍隊が自らの二酸化炭素排出量を削減するのを支援したい」
「内燃機関や他の多くの慣行に関して世界は前進する必要があり、ジュラ紀をテーマにしたX Prixより、それを象徴するための良い方法は他にないだろう。気候変動と持続可能性への取り組みを進めない限り、特定の種が絶滅するリスクがあり、それはもはや無視できないものなんだからね」