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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2021.12.14 18:35
更新日: 2021.12.14 19:09

『トヨタGRヤリス・ラリー1』の最終仕様が決定。新車開発期間にはライバルとの駆け引きも/WRC

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ラリー/WRC | 『トヨタGRヤリス・ラリー1』の最終仕様が決定。新車開発期間にはライバルとの駆け引きも/WRC

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのテクニカル・ディレクターであるトム・フォウラーは、先週末にセバスチャン・オジエがテストドライブした『トヨタGRヤリス・ラリー1』が、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン開幕戦モンテカルロに投入される新型マシンの最終仕様であることを認めた。

 先月イタリアで行われた今季最終戦で通算8度目のチャンピオンを獲得したオジエ。彼は先週、ベンジャミン・ヴェイラとの新しいペアで臨む来年1月20~23日開催のラリー・モンテカルロに向け、フレンチアルプスを舞台に2日間にわたる新型ラリー1カーのテストを行った

 トヨタが開発中のハイブリッドWRCカーは今週も引き続きテストが実施され、チームメイトの勝田貴元/アーロン・ジョンストン組やエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が走行する。さらに、2021年の最後にはカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組が開幕戦に向けて準備を進める予定だ。

「私たちはすべてをライン上に置いている。準備はできているよ」と語ったフォウラー。

「モンテカルロの仕様は、ドライバーに関連する最後のいくつかの細かい部分に至るまで修正されている。いまはモンテカルロに向けてクルマを作っているところだ」

「フィンランドのワークショップでは、多くのスタッフが最初のラリーカーの準備のために非常に忙しくしているよ」

「先週、FIAとのホモロゲーション検査を終え、現在はFIAとの事務処理の最終調整を行っているところだが、それらはすべて順調に進んでいる」

■分析に余計な労力をかけさせる戦略ふたたび

“ハイブリッド時代”の新しいクルマは1月1日に競技用のホモロゲーションを取得する予定だが、フォウラーはここまでの開発期間中にライバルメーカーとの駆け引きがあったことを認めた。

 トヨタGRヤリス・ラリー1の外観は、これまで行われたテストの中でいくつかの異なるバージョンが確認されている。これについてフォウラーは、ライバルメーカー(Mスポーツ・フォードとヒュンダイ)を混乱させるための“煙幕”だったと告白した。

「我々はテストを通じてさまざまなボディスタイルを見せてきた。だが、今週よりも前に登場したクルマのボディスタイルは、どれも実際のラリーでの使用を意図したものでないんだ」と彼は微笑んだ。

「ヒュンダイやフォードが写真を撮り、それらの分析に時間を使わせることが目的だった。それは、皆が『すべてが間違っている』『違法だ』などと言ってきた2015年と2018年に私たちがしたことと同じ方法だ」

「だから、今年のボディワークの主な目標は、他の人たちが見たときにそれが何であるかを理解しようとすることに、できるだけ多くの労力を費やすように仕向けることにあった」

「今週のテストでは、さまざま理由でいくつかの異なるアイテムを付けたり、外したりすることがあるかもしれない。しかし基本的なボディワークは事実上、FIAに提出したホモロゲーション・バージョンだ」

 チームはラリー・モンテカルロの1週間前にプレイベントテストを予定しているが、フォウラーによれば開幕戦が終わるまでは第2戦スウェーデンに向けたスノーテストを計画に盛り込む予定はないという。

「(スノーテストも)検討はした。しかし、今のところ理想的なコンディションではないので、モンテカルロが終わるまでは他のサーフェスでのテストは行わないつもりだ」と彼は説明している。

トヨタGRヤリス・ラリー1の最終仕様
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日本に持ち込まれたトヨタGRヤリス・ラリー1のテストカー。TGR 2022体制発表では、ヤリ-マティ・ラトバラ代表がデモランを披露した
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TOYOTA GAZOO Racing 2022体制発表でお披露目されたトヨタGRヤリス・ラリー1
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