1月12日、サウジアラビアで開催中のW2RC世界ラリーレイド選手権第1戦ダカールラリー2022は“ステージ10”が行われ、チーム・アウディスポーツのステファン・ペテランセル(アウディRS Q e-tron)がステージウイン。今大会初の優勝を決めた前年王者の後ろには2020年の王者であるカルロス・サインツ(チーム・アウディスポーツ/アウディRS Q e-tron)が続きアウディ勢が2日ぶり、2度目のワン・ツー・フィニッシュを飾った。
元日から14日にかけて争われる“世界一過酷”な砂漠のレースは、いよいよ終盤戦に突入した。競技10日目に待ち受けるのはワディ・アド・ダワシルからビシャへと向かう759kmルートで、このうち375kmがスペシャルステージ(競技区間)となった。
ラリー初日のトラブルによって総合では大きく遅れているペテランセル。彼はこの日、僚友のサインツとともに序盤から好ペースを披露し、128km地点でチームメイトを交わしてトップに躍り出る。その後はサインツをも引き離し、最終的には2分6秒のギャップを築いて最速フィニッシュを果たしている。
「ショックアブソーバーの問題やパンク、ナビゲーションの問題がなく、初めてクリーンに走ることができたスペシャル(ステージ)だった」と1日を振り返ったペテランセル。
「2週目に入ってからは大きな機械的トラブルもなく順調に進んでいるから、クルマの運転を楽しんでいるよ。僕は必ずしもステージハンターではないが、この勝利によってアウディの各ドライバーがステージ優勝を果たしたことになった。これは素晴らしいことだ」
「カルロス(・サインツ)が電気自動車でダカールのステージを制した最初のドライバーになったとき、それは画期的な出来事だったが、今回はそのパフォーマンスを(自分自身で)確認することができたよ」
2番手サインツの後ろでは、バーレーン・レイド・エクストリームのオーランド・テラノバ(BRXハンターT1+)がトップと3分59秒差の3番手に続き、そこから12秒遅れてTOYOTA GAZOO Racingのヘンク・ラテガン(GRダカールハイラックスT1+)が4番手につけた。
総合優勝を争うセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム/BRXハンターT1+)はステージ10を5番手タイムでフィニッシュ。これに対し、前日にシートベルトとハーネスの装着違反によって5分間のタイムペナルティが科されたラリーリーダーのナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing/GRダカールハイラックスT1+)は7番手となったことで、ふたりのタイム差は1分25秒縮まった。ステージ10終了時点での両者のギャップは32分40秒だ。