最後の出場から7年の歳月を経て、フランスが誇る伝説的“ターマック・マイスター”が2022年のERCヨーロッパ・ラリー選手権参戦を表明。WRC世界ラリー選手権の歴史でも偉大なビッグネームのひとりに数えられるフランソワ・デルクールが、自ら開発も手掛けた『アルピーヌA110 RGT』のステアリングを握り、ERC併催FIA RGTカップへのフルエントリーを決断した。
2015年のラリー・インターナショナル・デュ・ヴァレー以来の欧州選手権挑戦を決めたデルクールは、前哨戦としてFIA RGTカップ開幕戦モンテカルロ・ラリーに参戦。2017年にアバルト124ラリーGTで参戦した際にはギヤボックスのトラブルにより戦列を去る結果となったマイスターは、2019年の誕生から成長を手伝ってきた新型『アルピーヌA110 RGT』をドライブし、クラス3位のリザルトを獲得した。
このFIA RGTカップ・スケジュールの一部は、2022年ERCカレンダーに全3戦の日程で組み込まれており、5月13~14日のラリー・イソラズ・カナリアス、7月23日~24日のラリー・デ・ローマ・キャピタル、そして8月27~28日バウム・チェコ・ラリー・ズリンへの出場に取り組む準備を進めている。
「現時点での状況は悪くない。今後のカップ戦エントリーに向け“フルバジェット(全予算)”を確保できるよう、努力しているところだ」と今季のERC復帰への見通しを語ったデルクール。
WRC通算4勝を記録するデルクールは、COVID-19が蔓延する困難な時期にあっても精力的なラリー活動を続けており、2021年もアルピーヌA110R-GTaの開発車両で定期的なイベント参戦を実現。チェコ共和国を皮切りに、地元フランスでは複数の国内戦にエントリーしてきた。
そのほか、ランチア037ラリーやプジョー306マキシ、フォード・シエラRSコスワース4×4など“クラシック車両”のドライブも楽しんだデルクールだが、2022年のモンテカルロ・ラリーでは初日最後のセクターでパンクを喫して出遅れるも、翌日にはトリッキーなコンディションで3回のベストタイムを記録してクラス3位、総合25位のリザルトを手にしている。