JRC全日本ラリー選手権開幕戦『新城ラリー2022』が3月18~20日、愛知県新城市を拠点に開催された。トヨタGRヤリスGR4ラリーをシリーズに投入し、最高峰カテゴリーであるJN1クラスに参戦しているTOYOTA GAZOO Racingは、勝田範彦/木村裕介組が総合3位表彰台を獲得。一方、チームメイトの眞貝知志/安藤裕一組はリタイアとなっている。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、モータースポーツの厳しい環境の下で“人を鍛え、クルマを鍛える”ことを目的に、2015年からJRCに参戦しており、2021年はトップカテゴリーへのステップアップを果たした。同年、チームはシリーズ8冠王者である勝田を迎えシリーズチャンピオンを獲得した。
2022年も参戦体制を維持したTGRは、自身9度目の戴冠を成し遂げた勝田のために、これまでの課題を克服すべくさまざまな改良を施した新しいトヨタGRヤリスGR4ラリーを製作した。また、眞貝のマシンもオーバーホールが行われ、改良ポイントが盛り込まれている。
迎えた今季開幕戦。初日はウエット路面から徐々にコンディションが回復していく難しい状況のなか、勝田はSS2で2番手タイムを刻むなど安定したペースを披露し、総合3番手でラリーを折り返す。
朝から晴天に恵まれた最終日は、オープニングステージのSS4で、ベストタイムをマークしたヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)に対し1秒差に迫る2番手タイムを記録した勝田。これにより総合順位でも福永修(シュコダ・ファビアR5)を逆転し2番手となった。
前年王者は続くSS5と最終SS6でも総合2番手のポジションを維持してフィニッシュしたが、SS4がキャンセルとなったため最終的に総合3位となった。なお、ラリー主催者はステージキャンセルの理由について、「主計測装置ならびに補助計測装置が作動しなかったため」としている。
初日のSS1でタイヤのパンクに見舞われた眞貝はクラス7番手で2日目の競技をスタートしたが、SS5でコースアウトを喫しリタイアとなった。
「クルマの感触は非常に良く、きっちりと走り切れたステージでは去年と比べても上位陣との差を縮めることができた一方で、まだまだ私自身がクルマの変更点をうまく活かしきれない部分もあり、試行錯誤するなかで犯してはいけないミスをしてしまいました」と語った眞貝。
「次のステップに向けた積極的なトライの結果とも言えますが、昨シーズンから細かい改善を続け、Fun to Driveなクルマを準備してくれたチームには申し訳なく思います。次戦のツール・ド・九州は『トヨタGRヤリスGR4ラリー』のスピードが活きるラリーだと思うので、今回の結果を引きずらず、良いイメージを持って挑みたいと思います」