創設2年目となる2022年から、当初の計画どおり“グローバル・シリーズ”へと変貌を遂げる北米発の『Nitro Rallycross(ナイトロ・ラリークロス/ナイトロRX)』に向け、こちらも新規導入が予定されるフルエレクトリック“SUV”による『グループE』クラスに、元F1王者ジェンソン・バトンのフル参戦が決定。同じくイギリス出身でWorldRX世界ラリークロス選手権や、電動オフロード選手権の『エクストリームE』に参戦するオリバー・ベネットとタッグを組み、彼のチームでもあるエキサイト・エナジー・レーシングからのエントリーを計画している。
ラリーやラリークロス界のトップ選手として活動するかたわら、スタントドライブやエクストリームスポーツの第一人者としても知られるトラビス・パストラーナが仕掛け人となったナイトロRXは、数10mの“飛距離”を要するジャンプ必須のトラックや、NASCARチャンピオンなど豪華ゲストを招聘したラインアップなどで、既存の概念を覆す演出がなされてきた。
そのパストラーナ自身がチャンピオンに輝いた北米での初年度を終え、今季2年目を迎えるシリーズは、この6月のイギリス・リデンヒルからスウェーデン、フィンランド、カナダ、サウジアラビアなど3大陸を経て、2023年3月に地元北米でフィナーレを迎える全10戦のカレンダーを公開。改めて、創設当初から掲げてきた「世界進出の野望」を具現化させることとなった。
そんなシリーズに加わる新たなスターとして名乗りを上げた2009年のF1ワールドチャンピオンは「今はただ、レースがしたい」と、改めて自身の“ルーツ”でもあるラリークロス参戦に意欲をみせた。
「もちろん僕はモータースポーツを愛しているし、競技のなかで育ったからコンペティションが大好きで、心ゆくまで楽しみたいと思っている。ラリークロスだけでなく、電動モビリティの分野でも素晴らしい経験を持つエキサイト・エナジー・レーシングと、この新しいナイトロRXで戦えるのを本当に楽しみにしているんだ」と、自らもJBXEを率いてチーム代表の立場でエクストリームEに参戦中のバトン。
「長年の友人でもあるオリー(ベネットの愛称)と一緒にレースをすることになる。彼は素晴らしいキャラクターであり、このスポーツに最適な人物で、ダート上での競技経験の豊富さは説明するまでもないね」と続けたバトン。
「うまくいけば、僕は彼からその側面を学ぶことができ、彼は僕のサーキット走行の経験から学ぶことができる。楽しくて良いパートナーシップになると思うし、願わくばラリークロス界の“ビッグボーイ”たちと良い勝負ができればいいね!」