4月24日、WRC世界ラリー選手権第3戦クロアチア・ラリーの最終日、デイ3のSS17~20がクロアチアの首都ザグレブの北側エリアで行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合優勝を飾った。チームメイトのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合5位、デイ1でのデイリタイアを経てデイ2より再出走したエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、総合49位でフィニッシュしている。
今季初めてのフル・ターマッック(舗装路)ラリーとして開催されたクロアチア・ラリーの最終日は、サービスパークの北側エリアで2本のステージを各2回走行するスケジュールで争われた。
この最終日は日中のサービスの設定がなく、早朝サービスパークを出る際に選択したタイヤで1日の全ステージを走らなくてはならない。そのため、選手とチームは数時間後の天気や路面コンディションも予想してタイヤを選ぶ必要があった。総合首位でラリー最終日を迎えたロバンペラは、ドライ用のハードタイヤを4本、雨用のウエットを2本選んでステージに向かった。
これに対してデイ2を終えた時点で、トップと19.9秒差の総合2番手につけるオット・タナク(ヒョンデ[旧ヒュンダイ]i20 Nラリー1)はウエットタイヤ2本とドライ用のソフトタイヤ4本を選択。これが突然の雨に見舞われたSS19で功を奏し、同ステージで1番時計を記録する。
一方、タナクとは異なるタイヤ選択をしたロバンペラはライバルから29.8秒遅れてフィニッシュ。その結果、最終ステージのSS20を前に順位が入れ替わり、首位タナクをロバンペラが1.4秒差で追う展開となった。
迎えたSS20は全体的にはドライコンディションながら一部に湿った路面があり、インカット走行により掻き出された泥に覆われた箇所も多く、ハードタイヤとウエットの組み合わせで走るロバンペラにとっては、やや不利な路面コンディションに。
しかし、ロバンペラは渾身のアタックでステージベストタイムをマーク。2番手タイムのタナックよりも5.6秒速いタイムを刻み見事、逆転で優勝を手中に収めた。これがロバンペラにとってはキャリア4勝目となり、ターマックラリーでの初優勝となっている。
また、21歳の“フライング・フィン”は前戦スウェーデンに続く今季2勝目を飾ったうえ、パワーステージでのボーナス5ポイントを得てフルポイントを獲得。ドライバー選手権首位の座を守り、ランキング2番手につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)との差を29ポイントに拡大してみせた。