ヒョンデが立ち直ることを信じるソルベルグ「僕らは皆、早く追いつきたいと思っている」/WRC
ヒョンデ・モータースポーツのオリバー・ソルベルグは、現在WRC世界ラリー選手権で苦戦を強いられているヒョンデのラリーチームが、この状況から立ち直ることに「疑いの余地はない」との考えを示している。
7月14~17日に開催されたシーズン第7戦『ラリー・エストニア』で総合13位となったソルベルグは、ふたたび厳しいラリーを過ごすことになった。しかし、その中ではステージ2番手タイムを記録するシーンもあり、彼にとって励みになっているようだ。
20歳のスウェーデン人ドライバーは金曜日のデイ2でステージ脇の岩にぶつかり、ヒョンデi20 Nラリー1のパワーステアリングを損傷させてしまった。これにより上位フィニッシュへの期待は打ち砕かれることとなった。彼はチームのメカニックによってパワステが直される以前に、残りのステージで格闘していたことを認めた。
また、これとは別にソルベルグは彼のチームメイトであるオット・タナクやティエリー・ヌービルと同様に、マシンバランスとハンドリングに苦しみ、超高速グラベル(未舗装路)ステージでタイムを失っていたという。
これら問題は信頼性の問題とともに、韓国車メーカーにとって厳しいものとなっているシーズンの前半戦に繰り返されたテーマとなっている。
「(ドイツ・アルゼナウの)ファクトリーには、クルマをより速く、より信頼性の高いものにするために時間を惜しまず働いている人たちがたくさんいることを知っている」とソルベルグは強調した。
彼はWRC.comに対し、「僕らにはそれがわかる。スピードがどんどん上がっているのがわかるんだ。やがて僕たちはそこに到達するだろう。それは間違いなことであり、僕それについてまったく疑っていない」と述べた。
「このチームにとって今年のシーズンが厳しいスタートになったことは誰もが知っていると思うが、これがワールドチャンピオンから作られたチームであることも忘れてはならない。2019年と2020年、ヒョンデ・モータースポーツは世界一なったし、それはそれほど昔の話ではない」
「ポジティブであること、そして未来に向かって一生懸命に突き進むことが重要だ。このプロジェクトは少し遅れてスタートしたが、オット(・タナク)がエストニアで成し遂げたような結果(総合3位)やイタリアでの優勝は、僕たちが正しい方向に向かっていることを示している」
「そして、僕たちは皆、早く追いつきたいと強く思っているんだ」
次戦第8戦ラリー・フィンランドでもヒョンデi20 Nラリー1をドライブする彼は、「エストニアでは(ステージ優勝まで)あと一歩のところまでいった」と付け加えた。
「あるステージ(土曜最後のSS18)でコンマ1秒だけ遅かったんだ。悔しいけど、すぐに(そのときが)来ると思っている。正直なところ、今はエンジニアと一緒に仕事をしていて、良い答えを見つけている最中なんだ」
■ペース不足から車両開発の必要性を痛感
チームの副代表を務めるジュリアン・モンセは、エストニアと同様の高速グラベルイベントであるフィンランドで、チームが直面する障害を充分に認識している。
「エストニアでのパフォーマンスレベルを見ると、決して満足できるものではない」と彼は認めた。「前を行くマシンに比べてペースが落ちていて、フラストレーションが溜まる一方だった」
「ステージ優勝は1回だけ。これを見れば自分たちの位置がよくわかる。マシンの基本的な部分について、もっと開発を進める必要がある。私たちには長い仕事が待っている」