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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2022.08.10 20:50
更新日: 2022.08.10 21:10

クラス優勝につながった押しがけ。名物の大ジャンプetc.【WRCフィンランドSNSまとめ】

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ラリー/WRC | クラス優勝につながった押しがけ。名物の大ジャンプetc.【WRCフィンランドSNSまとめ】

 2022年シーズン第8戦エストニアから続いたWRC世界ラリー選手権の“超高速グラベル(未舗装路)ラリー2連戦”第2ラウンド『ラリー・フィンランド』は、既報のとおりヒョンデ・シェル・モビスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が優勝し、トヨタのホームラリー5連覇を阻止した。そんな第9戦フィンランドの会期中や前後期間に公開された関係者のSNS投稿を紹介する。

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 前戦エストニアに続きTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生として、ヨーロッパで武者修行中の大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3選手は、ユバスキュラを中心に開催されたラリー・フィンランドのレッキ(ステージの下見)に参加した。

 また、オープニングデーとなった4日木曜には多くのファンに混じり、シェイクダウンや先輩の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)が3番手タイムを記録したSS1“ハルユ1”の観戦も行った模様だ。

 その後も小暮、大竹とともに現地でトヨタチームを応援した山本は、会場の一角でランサーエボリューションIXのモデルカーが売られているのを発見。すぐにこれを購入し、同車を実際にドライブしていた“師匠”ユホ・ハンニネンにサインを入れてもらったと報告している。

■筋肉ムキムキでもパワステなしのドライブは超大変

 5日金曜からは森林地帯で本格的なグラベルラリーがスタートした。この日のオープニングSS2でオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)がクラッシュし早くも1台が戦列を去るなか、SS2ではMスポーツ・フォードWRTのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)が左コーナーのエイペックス付近で、マシンの左フロントをコース脇の岩に軽くヒットさせる。この瞬間を上空のヘリカメラが捉えていた。

 続くSS3ではチームメイトのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)がコース脇の岩に右フロントをヒットさせ、サスペンションにダメージを負う。このアクシデントによって大きくタイムを失った彼は、サービスでの修復を経て迎えたSS4で今度はパワーステアリングのトラブルに見舞われた。

 SS6後のサービスまでパワステが効かない状態でラリーを戦うことを強いられたフルモーの奮闘の様子と、キャンセルされたSS5を除くふたつのステージを戦い抜いた彼が疲弊した腕の筋肉を冷やす様子が、ともにMスポーツから公開されている。

 TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表ヤリ-マティ・ラトバラは、今回もステージ脇の観戦エリアへ。母国である「フィンランドの雰囲気は最高!」とのメッセージ付きで自撮りを投稿した。

 そんなラトバラは同国で8月12~13日に開催される『ラーティ・ヒストリッラリー』にトヨタ・セリカGT-FOURで参戦予定だ。また、このラリーには彼の父ヤリ・ラトバラも同じくセリカGT-FOURでエントリーしている。

 さらに、同イベントはTGR WRCチャレンジプログラム2期生の欧州ラリー2戦目の舞台にも選ばれ、山本、小暮、大竹の3選手はルノー・クリオ・ラリー4で出場することになっている。

■トラブルへの対応力も実力のうち

 午前中に雨が降った土曜日のひとコマ。WRC2クラスで優勝争いをしていたエミル・リンドホルム/リータ・ハマライネン組のシュコダ・ファビア・ラリー2エボにトラブルが発生した。ミッドデイサービスに向かう段階でエンジンが掛からなくなってしまったのだ。そこでふたりはロードセクションで押し掛けを敢行。これがうまくいき難を逃れることができた。
 
 なお、最終的にクラス2位でフィニッシュした同ペアだが、クラス1位でフィニッシュしたテーム・スニネン/ミッコ・マルックラ組(ヒョンデi20 Nラリー2)が競技後に失格となったため、繰り上がりでWRC2クラス優勝を飾っている。

 今戦はビジュアル的にも目を引くドラマチックな3位フィニッシュを飾ったエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が最終日の話題をさらったが、その前日にも自らマシンを直してポジションを守った男がいた。総合4位でフィニッシュしたエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がその人物だ。

 彼は総合4番手で迎えたSS17で左リヤサスペンションにダメージを負い、デイ3最後のステージとなったSS18を前にロードセクションで応急処置を行っている。ラチェットストラップと結束バンドを用いて破損箇所を修復したエバンスは、SS18で約52秒遅れながらも順位をキープしてみせ、翌日の4位フィニッシュにつなげた。

 ラリー・フィンランドといえば、“ルイヒマキ”の大ジャンプが有名。現地入りした中嶋一貴TGR-E副会長も目の前で観戦していたようだ。イチ押しは勝田車のジャンプ。この1回目のジャンプで感触を確かめた勝田は、最終SS22での再ジャンプでさらに飛距離を伸ばしてみせた。

 フィンランドでの戦いを終え、すでに次戦イープル・ラリー・ベルギーに向けたテストを行ったフルモーには、フォード・フランスからサプライズが用意されていた。

 彼が自宅に帰ると庭に“大きな黒い猫”が置いてあったという。それは限定999台のフォード・プーマST・ゴールドエディションだった。「素晴らしいサプライズをありがとう」とフルモー。

 第9戦ベルギーが母国凱旋ラリーとなるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は同ラウンドで着用する予定の特別仕様ヘルメットを公開。カラーリングにベルギーのナショナルカラーを取り入れている点が特徴だ。


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