更新日: 2022.08.14 13:13
水素エンジン搭載のトヨタGRヤリスH2、WRCベルギーで走行へ。カンクネンがドライブ予定
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、8月19日から21日にベルギーのイープルで開催されるWRC世界ラリー選手権第9戦『イープル・ラリー・ベルギー』において、トヨタのコンセプトカーであるGRヤリスH2をテストカーとして、各日1本のステージで走らせると発表した。
ラリー・フィンランドから1週間のインターバルを置いて開催される、イープル・ラリーに登場することがアナウンスされた『トヨタGRヤリスH2』は、水素をガソリンに代わる燃料として利用する、水素エンジンを搭載した実験的コンセプトカーだ。
このクルマのターボエンジンは、基本的に市販車で採用されているものと同一であり、2022年スーパー耐久シリーズ第2戦富士24時間レースで、“モリゾウ”こと豊田章男社長(TGRチームオーナー)やTOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表らがドライブしたORC ROOKIE GR Corolla H2 conceptに搭載されるなど、今日まで開発が続けられてきたものだ。
そんなGRヤリスの水素仕様車が、WRC今季9戦目にして2ラウンド目のフルターマック(舗装路)イベントとなるイープル・ラリー・ベルギーに登場し、テストカーとして毎日1本のステージを走行することになった。ステアリングを握るのは、トヨタ(TTE)での1993年の戴冠を含めWRCで通算4度のワールドチャンピオンに輝いた“フライング・フィン”、ユハ・カンクネンだ。
トヨタはこのテスト走行に加え、TGRのカーボンニュートラル実現に向けた新たな取り組みとして、チームのサービスエリアで水素燃料電池車『トヨタ・ミライ』から供給されるエネルギーを使用するとしている。
「(イープル・ラリー・ベルギーで)GRヤリスH2の走りを見るのが楽しみだ」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるラトバラ代表。
「私が章男社長とともに富士24時間レースに参戦したときもエキサイティングだったが、今回は同じテクノロジーをラリーのステージで試すチャンスだ」
「本当は私自身が運転したかったのだけど、ラリーに集中するためそれはできない。ユハ・カンクネンが、水素を燃料とするクルマをどのように運転するのか、とても楽しみにしている」