8月19日、WRC世界ラリー選手権の2022年シーズン第9戦『イープル・ラリー・ベルギー』が開幕した。競技初日のデイ1はSS1~8が行われ、地元ベルギー出身のティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合首位につけた。チームメイトのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合2番手につけ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTがワン・ツー体制を築いている。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)はマシントラブルの影響で序盤に遅れを取り、総合18番手となっている。
今年、WRCイベントとして2年連続2回目の開催となっているイープル・ラリー・ベルギーは、ベルギー西部の都市イープルを中心に行われるフルターマック(舗装路)ラリーだ。1日をとおして不安定な天候となった初日はSS4走行時に降雨があったが、ほとんどのステージがドライコンディションで行われた。
そのオープニングとなったSS1では、選手権リーダーのカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が制した。彼は今大会で優勝すればライバルの成績次第で、残り4戦を待たずに史上最年少でのシリーズチャンピオン獲得する可能性がある状況にあった。
しかし、続くSS2の緩やかな左コーナーでコースオフ。GRヤリス・ラリー1は側溝に跳ね上げられ激しくロールして止まった。幸いロバンペラとコドライバーのヨンネ・ハルットゥネンに怪我はなかったが、競技続行は不可能に。チームはデイ2での再出走を目指すとしている。
ロバンペラの脱落後、ラリーをリードしたのはチームメイトのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)だった。今季初勝利を狙うウェールズ人はSS4でステージ優勝を飾るなど安定した速さをみせ、午後のSS6まで総合首位の座を守ってみせる。
だが、不運にも1本タイヤにスローパンクチャーの症状がみられ、残りのステージを予備として搭載していたレインタイヤで走ることになる。この影響で少しずつタイムを失ったエバンスは3番手に後退。さらに、SS8後のTC(タイムコントロール)への到着が1分遅れたため10秒のタイムペナルティを受け、首位との差は3.7秒から13.7秒に開いている。