前日に首都アテネで開幕したWRC世界ラリー選手権第10戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』は9月9日、ルートラキを起点にデイ2のSS2~7が行われ、元9連覇王者のセバスチャン・ローブ(フォード・プーマ・ラリー1)が総合首位に浮上。総合2番手にはピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)がつけ、Mスポーツ・フォードWRTがワン・ツー体制を築いている。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は総合10番手だ。
アテネの西、ルートラキを起点として争われた“神々のラリー”の競技2日目は、Mスポーツ勢が6つのステージすべてでトップタイムを記録する1日となった。今季開幕戦でフォード・プーマ・ラリー1にデビューウインをもたらしたローブはそのひとりだ。
今戦が2022年シーズン4度目のWRC参戦となっている元9冠王者は、日中のサービスが設定されていないこの日のオープニングでベストタイムを刻み総合首位に躍り出ると、続くSS3でも連続ベストを記録。さらに、午前中最後のステージとなったSS4でもエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)と最速タイムを分け合い、この時点で総合2番手につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)とのギャップを6.4秒とした。
しかし、ローブはSS5“ダフニ”で失速。ヘアピンを曲がりきれず手痛いタイムロスを喫し、同ステージでキャリア初のステージ優勝を飾った僚友ルーベに首位を明け渡すこととなる。9度のワールドチャンピオンからトップの座を奪ったルーベはSS6でもベストタイムをマークし、総合3番手から2番手に上がってきたラッピに対するギャップを7.8秒に拡げてみせた。
このまま若手フランス人がフルデイ初日をリードするかと思われたが、1日の最後のステージであるSS7でルーベのマシンにパワーステアリングのトラブルが発生。この影響で9番手に沈んだルーベは順位をひとつ落とし総合2番手に。彼に代わって首位に立ったのは、この日4度目となるステージ最速タイムを記録したローブだった。両者のギャップは1.7秒だ。表彰台圏内でトップと8.7秒差の総合3番手にはトヨタのラッピがつけている。
「このステージは本当にハードに進もうと決めていた。なぜなら前のステージでは多くのタイムを失ってしまったし、自信があまりなかったためだ」と語ったローブ。
「地面に石があり、それが車体の横にぶつかって一瞬マシンが持ち上がってしまったが、問題なかったよ」