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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2022.11.13 16:01
更新日: 2022.11.24 10:55

勝田貴元がWRCラリージャパンで3位表彰台獲得。優勝はヌービル、ヒョンデ勢が1-2フィニッシュ

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ラリー/WRC | 勝田貴元がWRCラリージャパンで3位表彰台獲得。優勝はヌービル、ヒョンデ勢が1-2フィニッシュ

 11月13日(日)、WRC世界ラリー選手権第13戦『フォーラムエイト・ラリージャパン2022』の競技最終日、デイ4のSS15~19が行われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合優勝を飾った。日本人WRCドライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は初のWRC母国戦で3位表彰台を獲得している。

 10日(木)に開幕した12年ぶりのWRC日本ラウンドは、ステージキャンセルが相次いだ序盤の荒れた展開から徐々に落ち着きを取り戻し、中盤の戦いに入っていく。デイ2午後からはトヨタのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)とヌービルのふたりが抜け出す形となり以降、この2台が優勝争いを繰り広げることとなった。

■エバンスを襲ったタイヤトラブル

 デイ3に入るとエバンスがライバルに対してリードを広げ、その差はSS10を終えた時点で最大6.5秒に。しかし同日午後にはヌービルが反撃を開始する。今季2勝目を目指すベルギー人はSS12でついにトップを奪うと、岡崎市でのSS14を制し2番手エバンスに4秒差をつけて最終日に駒を進めた。

 迎えたデイ4、逆転優勝を狙うエバンスがオープニングのSS15で速さを見せステージベストを記録。ヌービルとの差を一気に0.6秒まで縮めてみせる。白熱した優勝争いは最後まで続くものと思われたが、直後のSS16でエバンスに悲劇が待っていた。

 今季初優勝を狙っていたウェールズ人は同ステージでパンクに見舞われ、タイヤ交換を余儀なくされる。これで総合4番手にダウンすることに。ライバルの離脱によってヌービルにはクルージングが可能なほどの余裕が生まれた。

 一方、エバンスの後退によって表彰台争いは激しいものになった。4番手につけていた勝田が3番手に順位を上げたが、エバンスとのタイム差は13.9秒しかなかったためだ。両名は続くSS17でステージ2番手と3番手で並び、エバンスがわずかに先行したことでギャップは13.5秒となった。

■表彰台争いは勝田vsオジエの構図に

 残り2ステージとなったところで、事前の天気予報どおり雨が落ち始める。この展開を「待ってました」とばかりに、6本中4本にウエットタイヤを選択したクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)がSS18でベストタイムを刻み、Mスポーツに今大会初のステージ優勝をもたらす。注目の3番手争いは同ステージでエバンスが2分以上遅れたことで、オジエが総合4番手に浮上し勝田の23秒後方につけた。

 引き続き雨の中でのステージとなったSS19 “Asahi Kougen 2”でも最速はブリーンとなった。サービス出発時のタイヤ選択でウエットを選ばなかったオジエはトップから31.6秒遅れてフィニッシュ。対する勝田も首位からは42.3秒遅れたものの、3位を得るための“貯金”を最後まで維持してみせ見事、初のWRC母国ラウンドで3位表彰台を獲得した。勝田のポディウムフィニッシュは第6戦サファリ・ラリー・ケニア以来、今シーズン2度目だ。

3位表彰台を獲得した勝田貴元(右からふたりめ) 2022年WRC第13戦ラリージャパンの表彰式
3位表彰台を獲得した勝田貴元(右からふたりめ) 2022年WRC第13戦ラリージャパンの表彰式

 優勝は後続に1分以上のリードを築いたままフィニッシュしたヌービル。これに、今戦を最後に韓国車ブランドを離脱するオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合2位で続き、ヒョンデ勢がワン・ツー・フィニッシュを達成した。

「最高の気分だね! 大変な週末だったし、それどころか大変な一年間だったけど、最後までスピードを保てて、勝利という最高の形でシーズンを飾ることができた」と語ったヌービル。

「天気への対応についても、チームが素晴らしい仕事をしてくれた。チームの皆、そして助けてくれたすべての人に感謝している」

 今季2度目の表彰台フィニッシュを飾った勝田も、「チームの皆、そしてステージや沿道で応援してくれたすべての方々に感謝したいです」と述べた。

「チームメイトにたくさんのトラブルが起こったことは残念に思います。言葉が出ません。今日の天気はとてもトリッキーでしたが、この順位で終えることができてよかったです」

 オジエは勝田からプラス12.3秒で総合4位に。総合5位はチームメイトのエバンス、同6位にはMスポーツのガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が入った。

■リンドホルムがWRC2チャンピオン獲得

 総合7位はWRC2クラス優勝を飾ったグレゴワール・ミュンスター(ヒョンデi20 Nラリー2)、8位はテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)となり、WRC2クラスでもヒョンデがワン・ツー・フィニッシュを決めている。

 エミル・リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2エボ)は総合9位でフィニッシュし、アンドレアス・ミケルセンを逆転してWRC2クラスのシリーズチャンピオンを決めた。総合10位には最終ステージで順位を上げたヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)が入っている。

優勝したティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
優勝したティエリー・ヌービル/マルティン・ウィダグ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
オット・タナク/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
クレイグ・ブリーン/ジェームス・フルトン組(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
クレイグ・ブリーン/ジェームス・フルトン組(フォード・プーマ・ラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン
勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(ヒョンデi20 Nラリー1) 2022年WRC第13戦ラリージャパン


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