ティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)は、11月10~13日に愛知県と岐阜県で開催されたWRC世界ラリー選手権第13戦『ラリージャパン』において、自身とチームメイトのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)がワン・ツー・フィニッシュを決めたことは、ヒョンデ・モータースポーツにとって必要な後押しだったと述べた。
2010年以来、12年ぶりの開催となったWRC日本ラウンドで優勝を飾ったヌービルは、自身の今季2勝目がチャンピオンシップには影響しない、“単なる勝利”であることを認めた。しかし、マニュファクチャラー選手権においてTOYOTA GAZOO Racing WRTに次ぐランキング2位となったヒョンデにとっては、それ以上の意味があったと言う。
ダニ・ソルドが駆るヒョンデi20 Nラリー1の全焼や、相次いだクラッシュ、一般車両のコース侵入などさまざまな要因によって、とくに序盤にステージキャンセルが続いたラリージャパンの前半戦。ヌービルはその最中に上位に進出を果たすと、デイ2終了時にはトップと僅差の2番手となる。翌日のデイ3ではエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)との首位争いでリードを奪った。
迎えた日曜のラリー最終日には、エバンスがパンクによって遅れたためセーフティマージンを得て独走状態に。終盤の雨にも翻弄されることなくトップでフィニッシュし今シーズンの自身2勝目、チームにとっては年間5度目となる勝利を持ち帰った。
「僕自身にとっては、それはひとつの勝利にすぎない」とヌービルは『WRC.com』に語った。
「しかしチームにとって、またワークショップとオフィスで1年中働いているすべての人や、イベントに来られない人たちにとって、それは大きな成果だと思っている」
「そこに秘密はない。ラリーで勝つということは、最初から最後まですべてがうまくいった週末ということだ。そうでなければラリーでは勝てない。いつもそうなんだ」
「『トヨタに勝つために日本へ行く』という期待に、皆が興奮していた。そして最終的には本当に大きな勝利になった」
「今年の後半はたしかに少し強くなった。僕たちはより良い結果、より多くのポディウムを獲得した。ここ日本でダブル表彰台を達成したことは、2023年に向けて良いブーストになった」と彼は付け加えた。