電動化初年度の最高峰クラス『RX1e』でも“絶対王者”ヨハン・クリストファーソン(KMS/フォルクスワーゲンRX1e)が自身5度目のドライバーズタイトル獲得を決めたWorldRX世界ラリークロス選手権は、変革を遂げた2022年シーズンを終え、12月7日付けで来季2023年のカレンダーを発表。象徴的なヨーロッパ各国の会場に加えて、2019年以来となる欧州域外ラウンドの南アフリカと、開催地未定ながらアジアでの最終戦がスケジュールされた。
来季2023年で、世界選手権化を果たして10年目を迎えるWorldRXは、ひさびさに復活のアフリカ大陸とアジアを歴訪する。発表されたカレンダーには、そうした興味をそそる新たな要素に加え、シリーズを象徴する会場や、このスポーツの伝説的な発祥の地を含む、お馴染みのトラック復活も予定されている。
この12月に開催されたFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)で承認されたスケジュールは、ダブルヘッダーを含む全10戦となり、開幕戦は2022年同様6月中旬にノルウェーのヘルが担当する。
その直前となる5月には、こちらも前年度同様にEuroRX1/RX3の“スタンドアローン”イベントとしてハンガリーのニーラドに位置する“赤い大釜”の異名を持つトラックにて、欧州選手権が一足早い開幕を迎える。
そして最高峰『RX1e』は7月のスウェーデンへ向かい、聖地ホーリエスで開催される伝統的なイベント『マジック・ウイークエンド』でシリーズ通算100戦目の記念すべきラウンドを開催する。
さらに3週間後には海峡を渡り、こちらも2019年以来のカムバックとなるイギリスはケントにある“ラリークロス生誕の地”とも呼ばれるリデンヒルで真夏の1戦を実施。さらにシリーズ初期の定番であったベルギーのクラシックな競技場メテが復活し、2022年にレイアウトが変更されたポルトガルのモンタリグレと続いていく。
続いてヨーロッパ・ラウンド最終戦となるドイツでは、F1トラックのスパ・フランコルシャンが“古刹”とも言えるメテに回帰したベルギーと同様に開催地を変更。ニュルブルクリンクの特設トラックから、ハンブルグ郊外ブクステフーデ近くの特徴的なトラック、エステリングが2018年以来のカレンダー復活を果たす。