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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.01.25 22:15
更新日: 2023.01.25 22:16

勝田貴元を襲った二度の車両トラブル。最終SSではデフが破損「リヤの駆動が一気に抜けた」/WRC開幕戦

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ラリー/WRC | 勝田貴元を襲った二度の車両トラブル。最終SSではデフが破損「リヤの駆動が一気に抜けた」/WRC開幕戦

 シリーズ8冠王者のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が前人未到の大会9勝目を飾って幕を閉じたWRC世界ラリー選手権第1戦ラリー・モンテカルロ。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は同イベントで総合6位入賞を果たし、2023年シーズンの開幕戦からドライバー選手権ポイントを獲得したが、戦いの中では二度にわたってメカニカルトラブルに見舞われた。これらの状況についてラリー・モンテカルロ後の合同オンライン取材会に登場した勝田に話を聞いた。

 今シーズン、勝田がトヨタのワークスチームに昇格し、オジエとサードカーをシェアしつつ4台目のGRヤリス・ラリー1も活用して年間の全13戦に出場するのは既報のとおりだ。1月19~22日に開催されたラリー・モンテカルロはその初戦。勝田はチームメイトであるカッレ・ロバンペラ、エルフィン・エバンス、そしてオジエの3名とともに伝統の一戦に臨んだ。

 事前のテストから「クルマのフィーリングが良かった」と語った勝田は、競技初日の夜に行われたSS1で4番手タイムを刻む好スタートを切る。ところが、続くSS2のスタートからまもなく、ひとつめのマシントラブルが勝田を襲った。

「スタートのところでトラブルが発生し、そこから20kmを超えるステージをハンドブレーキが使えない状態で走らざるを得なくなりました」と勝田は初日を振り返った。

 彼にとって不運だったのは、スタート直後に問題が生じたこと。さらに当該のSS2が今大会中もっとも多くのヘアピンカーブを有するステージだったことだ。通常、ハンドブレーキはR(半径)の小さなコーナー、とくにヘアピンで用いるため相当な痛手だったはずだ。これらの要因が重なり勝田はSS2をトップから50.1秒遅れてフィニッシュ。ステージ10番手に終わり総合9番手まで順位を落とすこととなった。

 なお、トラブルの原因についてはチームによってすぐさま解明され、翌日のSS3以降は同様の問題が発生することはなかった。このデイ3で勝田はステージ4番手タイムを計4回記録する快走を見せ、ポジションを総合7番手まで挽回している。

「原因はいろいろと調査してもらった結果、明らかになりました」と勝田。

「ハンドブレーキから駆動系に伝わっていくところの調整がしっかりされていなかったそうで、そこから不具合が起きてしまったようです」

勝田貴元はSS2でハンドブレーキにトラブルを抱え約50秒を失った。また、最終日のSS18ではデフのトラブルから姿勢を乱し、マシンの左リヤ部にダメージを負った。
勝田貴元はSS2でハンドブレーキにトラブルを抱え約50秒を失った。また、最終日のSS18ではデフのトラブルから姿勢を乱し、マシンの左リヤ部にダメージを負った。

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