レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.01.30 16:12
更新日: 2023.01.30 16:19

雪と氷のRoCスウェーデン大会は、国別のソルベルグ親子に続きエクストロームが最多勝に並ぶ4勝目

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


ラリー/WRC | 雪と氷のRoCスウェーデン大会は、国別のソルベルグ親子に続きエクストロームが最多勝に並ぶ4勝目

 あらゆるタイプの車両、あらゆるカテゴリー、あらゆる出身国のスタードライバーが勢揃いし、世界一の栄誉を競う『レース・オブ・チャンピオンズ(RoC)』の2023年大会が1月28〜29日にスウェーデンのピーテオで開催され、初日の国別対抗ネイションズカップでは、ノルウェー代表のペター&オリバーのソルベルグ親子が連覇を達成。そして日曜の個人戦では、かつてのミハエル……そして今回のミックと、シューマッハー親子を撃破したマティアス・エクストロームが、歴代最多に並ぶ自身4度目の優勝を飾っている。

 北極圏からわずか100km程度、凍ったバルト海を望む静かな街ピテ・ハヴスバッドに設定された特設トラックでは、今年もF1を筆頭にF2、インディカー、ル・マン、Wシリーズなどサーキットカテゴリーの実力者たちや、WRC世界ラリー選手権にWorldRX世界ラリークロス選手権、そして新興グローバル選手権のナイトロRXや、北米最高峰のエクストリームスポーツでもあるゲームズ経験者など、あらゆるペアがチームを組み、国や地域の誇りをかけて勝負に挑んだ。

 昨季に続き雪と氷の“パラレル・アイス・トラック”が設定されたコースでは、フル電動モデルの『クプラ・アーバンレベル・コンセプト』や、QEV社製ユニットを採用した『ゼロイドX1』(RX2e用)電動ワンメイク・ラリークロス車両に、今季からナイトロRXの最高峰クラスで運用される水素スタック搭載の『FC1-X』、そしてバイオ燃料にスイッチした『ポラリスRZRプロXP』のRoC復帰など、内燃機関モデルを含め多くの車種がスタンバイされた。

 その初日の国別対抗で主役を演じたのは、チーム・ノルウェーとして参戦したWRC&WorldRXチャンピオンの父ペターと、幼少期からラリー&ラリークロスの英才教育を受けてきた息子のオリバーという昨年度覇者の親子ペアに。

 改めて王者としてタイトル防衛に挑んだふたりは、路面コンディションの変化を織り込んで伝統的なグループステージではなく“ストレート・ノックアウト・システム”と呼ばれる、各ドライバーによる4ヒート制で勝ち上がりを決める勝負のなか、マティアス・エクストローム/ヨハン・クリストファーソン組のチーム・スウェーデンや、セバスチャン・ローブ/エイドリアン・タンベイ組のチーム・フランスなど、次々と強豪を撃破していく。

 さらにF1引退直後のセバスチャン・ベッテル/ミック・シューマッハー組のチーム・ドイツや、トラビス・パストラーナ/タナー・ファウスト組のチームUSAなども敗退し、ファイナルはブラジル出身の2022年FIA F2王者フェリペ・ドルゴヴィッチと、ベルギー出身のティエリー・ヌービルが組んだチーム・オールスターズが相手となった。

 最初のヒートこそ、現役WRCスターの意地を見せたヌービルが元王者のペターを退けたものの、そこからの2ヒートはオリバーとペターが、親子ともども真夏の30度だったブラジルから氷の世界に越境してきたドルゴヴィッチを仕留めると、最終ヒートではオリバーがヌービルに対して決定的な勝利を収め、見事にネイションズカップ連覇を成し遂げた。

「誰もがRoCを愛しているが、今日は緊張した! 走るたびにコンディションが変化するから本当にミスを犯しやすかった」と、まずは安堵の言葉を繋いだ父ペター。

「まさに“butterflies in my stomach(ソワソワして落ち着かない、緊張する)”って感じだけど、時間が来たらコースに出て、自分のすべきことをするんだと集中した。セバスチャン・ローブは遅れて到着したから(スタート1時間前にヘリで会場入り)公平な準備をするチャンスはなかったが、彼を倒すのは非常に楽しかったね(笑)。そこからどんどん、気分が良くなったよ!」

F1引退直後のセバスチャン・ベッテルや、開始1時間前にヘリで現地入りしたセバスチャン・ローブの豪華“セバスチャンズ”共演も
F1引退直後のセバスチャン・ベッテルや、開始1時間前にヘリで現地入りしたセバスチャン・ローブの豪華“セバスチャンズ”共演も
トム・クリステンセンとのチーム・ノルディックとして出場した地元出身フェリックス・ローゼンクビスト
トム・クリステンセンとのチーム・ノルディックとして出場した地元出身フェリックス・ローゼンクビスト
今季からナイトロRXの最高峰クラスで運用される、水素スタック搭載の『FC1-X』も登場した
今季からナイトロRXの最高峰クラスで運用される、水素スタック搭載の『FC1-X』も登場した
「今日は多くのレースに勝ったし、セバスチャン・ベッテルを倒したことは明らかに特別なことだった」と、惜敗の2位に終わったティエリー・ヌービル
「今日は多くのレースに勝ったし、セバスチャン・ベッテルを倒したことは明らかに特別なことだった」と、惜敗の2位に終わったティエリー・ヌービル

■次のページへ:個人戦はミックとの争いを制したエクストロームが戴冠。しかし車中では思わぬトラブルも


関連のニュース