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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.03.18 13:28
更新日: 2023.03.18 13:53

ラッピとオジエが抜け出したWRCメキシコ2日目。勝田貴元デイリタイア、Mスポーツ受難の1日に

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ラリー/WRC | ラッピとオジエが抜け出したWRCメキシコ2日目。勝田貴元デイリタイア、Mスポーツ受難の1日に

 3月17日、WRC世界ラリー選手権第3戦『ラリー・メキシコ』の競技2日目は、SS3~SS10まで計8本のステージで争われ、ヒョンデ・シェル・モビスWRTのエサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)が総合トップに立った。日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、アクシデントによりデイリタイアとなっている。

 標高2000メートルを超えながら日中は30℃前後まで気温が上昇する、クルマにもクルーにも厳しいラリーが始まった。前日の16日(木)にグアナファト市街地での2本のスーパーSSを終えた各車は、この17日(金)のデイ2より本格的なグラベル(未舗装路)ステージを戦っていく。

■波乱の幕開け、Mスポーツ・フォードWRTの3台全車がストップ

 デイ2のオープニングとなったSS3は今大会2番目に長い29.07kmの“エル・ショコラテ”。同ステージに出走順1番手で臨んだオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)はターボにトラブルを抱え15.8km地点で一度ストップ。ふたたび走り出したもののレーシングスピードでの走行は難しく、いきなり7分30秒以上のタイムを失ってしまう。

 また、僚友のピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)は、スタートから19.6km地点の右コーナーでフロントをヒットさせて走行不能に陥った。

 さらに、プライベーターとして3台目のフォード・プーマ・ラリー1を走らせるジョルダン・セルデリディスも同じくSS3でアクシデントを起こし、道を塞ぐかたちでストップしてしまう。赤旗の原因となった彼はルーベとともにデイリタイアとなっている。

■早くもラッピとオジエの一騎打ちに

 Mスポーツ勢が試練に見舞われるなか、オープニングステージで速さを見せたのはヒョンデのラッピだった。髭を生やして今大会に臨んでいるフィンランド人は、前日の首位タナクを逆転して総合トップに浮上し、ステージ2番手で総合でも2番手に順位を上げてきたセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)を1.2秒リードする。

 続くSS4はオジエが、ラッピを0.4秒上回るタイムでステージ優勝を飾りギャップを縮めるが、午前のループ最後のSS5ではラッピがやり返し、その差を1.4秒と拡げてミッドデイサービスを迎えることとなった。

 サービスを挟んで行われた午後の再走ステージでも、ラッピ、オジエ、ラッピの順で午前のループを再現するようにステージ優勝を分け合った両名。SS8を終えた時点でトップ2のギャップは3.4秒と僅差だったが、3番手以降とは26秒差と間隔があいた。

 SS9として行われた全長3.53kmのスーパーSS“ラス・デュナス・スーパースペシャル1”で今大会5度目のベストタイムを記録したラッピは、この時点で通算6度のメキシコウイナーを6.9秒後方に追いやることに成功したが、僚友のダニ・ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1)が制したSS10では7番手タイムに終わったことで、最大のライバルとの差は5.3秒に縮まっている。

「正直、ちょっと驚いている。僕のキャリアの中でもおそらく最高の日だった」とデイ2を振り返ったラッピ。

「いつもトップで戦えればいいと願っていたけれど、セブ(セバスチャン・オジエ)とトップを戦うなんて考えもしなかった。この日がどうなるかは考えていなかったが、自分たちのペースが良いという自信だけはあった」

セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
セバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
ターボトラブルを抱えたまま午前の3ステージを走り切ったオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)。サービス後の午後のループではペースが回復した 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ
ターボトラブルを抱えたまま午前の3ステージを走り切ったオット・タナク(フォード・プーマ・ラリー1)。サービス後の午後のループではペースが回復した 2023年WRC第3戦ラリー・メキシコ

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