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ラリー/WRC ニュース

投稿日: 2023.05.25 18:56
更新日: 2023.05.25 18:57

MRFのマルティン・セスクが今季初勝利、ヘイデン・パッドンは連続2位表彰台を獲得/ERC第3戦

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ラリー/WRC | MRFのマルティン・セスクが今季初勝利、ヘイデン・パッドンは連続2位表彰台を獲得/ERC第3戦

 第2戦から中1週間で、早くも第3戦『オーレン第79回ラリー・ポーランド』を迎えた2023年ERCヨーロッパ・ラリー選手権は、ポーランドの首都ワルシャワ北部のグラベルステージを舞台に争われ、選手権首位に立つヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)を抑え切ったチームMRFタイヤのマルティン・セスク(シュコダ・ファビアRSラリー2)が今季初優勝をマーク。昨季“全ステージ制覇”の偉業を達成した地元ラトビア戦に続き、キャリア2勝目を飾っている。

 マズリアン湖水地方の町ミコワイキを拠点とした硬く締まったフラットサーフェスのステージ群を軸に、全16ステージ、SS総距離182.06kmで争われたERC第3戦は、ERC登録クルー58名を含むフルエントリーを集め、金曜の予選ステージから夜間のスーパーSS、そして土日の本格ステージ群というおなじみのアイテナリーが設定された。

 曇りで比較的涼しいものの、ほぼドライなコンディションで実施された予選ステージでは、ミシュランタイヤを装着した前年度のポーランド覇者ミコ・マルチェク(シュコダ・ファビアRSラリー2)の最速で幕を開け、同じくミシュラン陣営のフィンランド王者ミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRSラリー2)を挟み、ピレリタイヤを履くBRCレーシングチームのパッドンと、MRFを履いたセスクが続き、5番手のMRF陣営マッズ・オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)まで0.516秒差と、各タイヤ銘柄が超接近戦を繰り広げる。

 ミコワイキのメイン広場でセレモニアルスタートを終えた一行は、ホテル敷地内のサービスパークに隣接する専用アリーナで行われた複合路面のSSSに挑むと、土曜日のスタート順位の一部として使用される重要なステージを地元のマルチェクが制圧。2番手にパッドンが続いて予選ステージと同じ並びとし、明日からの本格ステージ群に向け足場を固める結果となった。

 しかし明けた土曜に主役を演じたのは、その金曜SSSの左コーナーでワイドになり、トップから4.3秒差の総合22番手と出遅れていたセスクで、この日のオープニングとなる18.58kmのステージでベストタイムを記録すると、早くもパッドンの背後0.2秒に迫る総合2番手へと浮上。SS3、SS4こそパッドンが最速タイムで応じたものの、昼のミッドデイ・サービス時点では1.4秒差と肉薄する。

 午後のループを経て、最後のSSSでは慎重なアプローチを選択したセスクが、パッドンに1.3秒を取り戻すことを許したが、それでも後続に対し8.2秒のマージンを築いたセスクが総合首位に躍り出た。

「悪くはなかった。まだ取り組むべき点はいくつかあるが、スピードに関してはある意味、まったく問題なかったね」と満足の初日を振り返ったセスク。「MRFとチームは素晴らしい仕事をしてくれている。だから僕らはトップにいるんだ」

 一方、午後のステージ群で「もう少し速く走ることはできたかもしれない」と語ったパッドンは、それと同時に選手権を見据える大切さも繰り返す。

「チャンピオンシップを念頭に置いてドライブするときは、できる限りリスクを排除する必要がある」と続けた今季、欧州選手権初制覇を狙う“キウイ”ことパッドン。

「今はちょっとした争いが起きているが、おそらく明日の午後までそれについて考えることはない。そこまで僕らは独自のラリーを続け、長期戦を考え続ける必要があるんだ」

前年度覇者で地元の英雄でもあるミコ・マルチェク(シュコダ・ファビアRS Rally2)が、金曜の予選ステージとSSSで最速発進を決める
グラベルでの本格初対決を迎えたRally3規定の新型4WDモデルは、フォード・フィエスタRally3 EVOのジョン・アームストロングに軍配
SSSでも2番手とした選手権首位ヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)は、土曜から優勝争いを繰り広げることに

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