更新日: 2023.09.13 20:06
【ピエール北川のラリー潜入取材日記】泥の中を笑顔でデモランするモリゾウ選手。初開催の池田SSSも大成功でラリー最高!
9月9日〜10日に北海道の帯広市で開催された全日本ラリー選手権第7戦RALLY HOKKAIDO(ラリー北海道)。最上位のJN-1クラスはこのラリー北海道に来日参戦したヤリ-マティ・ラトバラ/ユホ・ハンニネン(トヨタ・GRヤリスJP4-ラリー2)が初参戦初優勝という、さすが元WRCトップドライバーの実力を見せてくれました。
そのJN-1クラスではヘイキ・コバライネン/北川紗衣組がチャンピオンを決めるなど盛り上がりを見せた今回のラリー北海道を、オートスポーツwebのスペシャル特派員としてサーキット実況でお馴染みのピエール北川さんがお伝えします。誌面で実況(!?)する現地の様子、最終回は日曜日を中心にお届けします。
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どーもー! ピエール北川です。
ラリー北海道もいよいよ最終日。現場の様子を写真とともにお伝えするので、どうぞ最後までお付き合いください~。
前日に降った雨の影響で、今日予定されている4本のSS(スペシャルステージ)は、距離は短いものの全て路面が濡れたコンディション。特に今年新設された池田SSS(スーパースペシャルステージ)は各選手はじめての経験となる野球場を使ったコース。どんな走行になるのでしょうか?
朝一番に訪れた注目の『池田SSS』
競技の前にまずはココで、前日陸別サーキットで行われたデモランに続きモリゾウ選手と(ユハ)カンクネン選手(WRC4回チャンピオン獲得)がWRCのマシンを再びデモ走行してくれます。
しっかり降った雨の影響で、路面はドロドロ。ハイパワーなヤリスWRCラリー1が泥を蹴散らします!
レジェンドのカンクネン選手がファンの前を激走! 往年のラリーファンには涙モノです。
マシンとファンが近く、お客様に撥ねとんだ泥が届きそう。
デモランが終わって、いよいよ選手たちの本番。池田SSSが行われます!
観客もラトバラ選手のアツい走りに熱視線を送ります。圧巻のトップタイム!
新井敏弘選手が走ると観客席でファンがスバルの旗を振って応援!
場内放送でも「道民」と紹介されていた地元では有名な松倉拓郎選手。小排気量のJN-5クラスながら、上位クラスよりも速いタイムを記録し、ゴール後には地元ファンから大拍手が起きました! 地元選手の活躍は盛り上がりますよね!!
雨でぬかるんだコンディションにはなりましたが、選手たちの激走に熱い応援や拍手もあり、初開催となった池田SSSは大成功だったのではないでしょうか。あらためて、開催に準備された自治体や関係者のみなさまに感謝です。
最終日は朝から池田SSSの2本を含む計4本のステージで終了。2日間合計走行距離661㎞のラリー北海道の競技が終わり、次々とラリーカーがサービスパークへ戻ってきました。表彰式会場の隣、待機場所を歩いていると、ガムテープ補修された痛々しいマシンが。
見事JN-2クラスで表彰台3位を獲得した三枝聖弥選手と船木一祥選手組でした。
ドライバーの三枝選手(指さしてる選手ね)は強豪ベテランがひしめき合うJN-2クラスの中で、20代前半の若手選手ながら今後、最も期待できる選手です。昨年北海道はリタイヤでしたが今年は3位。これからの成長が楽しみですね!
こちらは総合3位でフィニッシュして2度目の全日本ラリーJN-1クラスチャンピオン獲得したヘイキ・コバライネン選手と北川紗衣選手組。中央は監督の牧野太宣代表。コバライネン選手が全日本を走ってくれるのも、牧野代表のおかげ。あ、コバライネン選手は今回悔しい3位だったので、次は新しいマシンで勝負したいって言っていましたよ! 牧野監督! さて、来年はどうするのかなぁ?
JN-1クラスの優勝は初日から快走を見せたヤリ-マティ・ラトバラ選手とユホ・ハンニネン選手組。WRCフィンランド最高峰クラス5位入賞を果たした直後の参戦だったので、あらためてワールドクラスのスピードを全日本で見せつけられた感じです。
世界基準のドライバーであるラトバラ選手と新開発マシン、GRヤリス・ラリー2の活躍は、来年のWRC2カテゴリーでデビュー予定のこのマシンで旋風を巻き起こす前兆なのか? 期待は膨らむばかりです。ああ、デビューが待ち遠しい!
今回、全日本ではなくオープンクラスというカテゴリーで参加していた小出辰彦選手と松本芳幸選手組のトヨタヴィッツ。このペア、実は私と一緒にTRD RALLY CUPという地方選手権のシリーズで一緒に戦ったラリー仲間なんです!! 今年シリーズ休止を受けて一念発起し、憧れの日本一過酷なラリー北海道に初挑戦。見事完走を果たしました!! 僕も最高に嬉しいです!
ラリーという競技はWRCや全日本というトップクラスも魅力ですが、小出さんのように趣味として楽しく長く参加し続けられる、素晴らしいモータースポーツ競技でもあります。街で走る自動車をベースに、あらゆる道でドライバーとコドライバーが力を合わせてゴールを目指す。ラリージャパンのお仕事前に北海道で取材していて、なんだかラリーという競技の原点を改めて思い出させてくれた小出さんの挑戦でした。
さて、僕のラリー北海道の取材記事はいかがでしたか?
今度ラリーの現場でみなさんにお会いするのは11月開催の世界ラリー選手権『ラリージャパン』です。豊田スタジアムで開催されるSSSや、岡崎市で行うギャラリーステージでは実況する予定ですので、ラリーに興味が出てきたあなたは、ぜひ現地へ観に来て下さいね!
最後までご覧いただきありがとうございました~。ラリー最高です!!
ピエール北川
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Profile ピエール北川
三重県生まれ。名古屋市在住。モータースポーツ実況29年。 2013年SUPERGT、翌2014年SUPERFORMULAと両シリーズ公式の実況アナウンサーとして全国各地のサーキットで実況中
X(Twitter):https://twitter.com/Pierre_Kitagawa
HP:http://pierre-kitagawa.com/